研究課題/領域番号 |
19K02647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
舘 秀典 東京福祉大学, 保育児童学部, 講師 (90402148)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 保育者養成 / 気づき / アノテーション / 振り返り / 動画 / 保育 / 危険 / 教材 / 機械学習 / 質の向上 / 分析 / 安全管理 / ヒヤリハット / 気付き / AI / 教育 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
保育の現場における安全管理をサポートするための,ICTを活用した基盤技術の開発と評価を行う。設置が進んでいる防犯カメラや室内の定点カメラの動画を基にAIを活用し,幼児の行動分析に特化した技術基盤の構築を行う。本研究成果を応用することで①特定の場所,遊具等での場面が抽出されれば,事前の事故予防として保育の危機管理を行うこと,②経験の少ない保育士に対して,子供たちの行動への介入や声かけをすべき点をサポートすること,③実習を控えた保育士養成課程の学生や経験の少ない保育士に対しての研修動画を作成する際の補助を行うこと,等が可能である。
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研究実績の概要 |
コロナ禍によるマスクの着用や接触を避ける保育が行われていた中ではあったが,現場の映像データをもとに保育士や保育経験者,有識者による映像へのアノテーションを行ってきた。人により気づきは様々だが,共通して指摘されるシーンなども存在することから,暗黙知として何らかの気づきが共有しているであることが分かってきた。 暗黙知の文章化,表出は難しいことから,これら経験者のデータをもとに機械学習を用いたて抽出された種々の保育現場のシーンを,経験の浅い保育士に対する教材や,振り返りの資料とし,知識を得ることで不安を少しでも減らし,保育士の質向上,保育士を目指す学生の養成にもつなげることが応募者の最終的な目標である。 当年度は,保育士や保育経験者,有識者による映像へのアノテーションを行ってきた。また,これらのアノテーションが付与されたシーンを教師データとして学習させ精度の向上を図ってきた。またその結果をもとに 動画からのシーン抽出を試行してきた。これに並行し,動画にアノテーションを付与するためのアプリとサーバサイドの開発を進め,研究協力者である保育士や経験者の負担を減らすために,ユーザビリティの向上を行ってきた。これは,汎用的な動画アノテーションシステムとしてのシステムとして近く公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において子どもたちの行動も制限され,当初の計画よりデータを収集することが難しくなってしまった。保育の現場,かつ保育士による声かけや行動が必要な場面という,限定された動画サンプルがデータ分析の元となるため,数が少量であり,機械学習による特徴抽出による学習の精度向上が難しい。保育の現場を撮影した市販の動画は教材目的で製作されているものが多く,保育現場のかなり特徴的なシーンのみであることから,機械学習の教師用資料としては向いているものは少ない。 抽出したシーンを機械学習させる点では問題は無いが,今後も学習データを増やしながら,少しずつ進めていくこととなる。現時点においては,コロナ禍により,通常と違う保育現場あるため映像データの不足から期待した精度まで上げられていない。
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今後の研究の推進方策 |
下記4つを行う。 1. 研究協力者を増加させることで,視点を広くするとともに教師用データの数を増やす。2. 協力園を拡大し,分析対象とする保育現場の動画数を増やす。3. システムの学習の精度を少しでも高めるとともに,研究,市場における機械学習の技術も向上していることから,新たなアルゴリズムの導入を検討する。3. アノテーションシステムの,ユーザビリティの改善と,独立したアプリケーションとしての開発を進め,汎用的なアノテーションシステムとして一般公開を行う。4. 現在のアノテーションシステムを,保育士の養成現場や,保育者の研修会などに活用してもらい,機能に対する要望を取り入れ拡張を行う,これにより,保育士の研修や養成に必要な機能とは何かを洗い出し,他の同種のシステムと差別化を行うとともに,一般公開し,保育士の質向上へ寄与する。
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