研究課題/領域番号 |
19K02662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 郡山女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
柴田 卓 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60762218)
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研究分担者 |
後藤 みな 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (10817711)
西浦 和樹 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (40331863)
伊藤 哲章 宮城学院女子大学, 教育学部, 准教授 (50735256)
柴田 千賀子 仙台大学, 体育学部, 教授 (80639047)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自然保育 / ナショナルカリキュラム / イギリス / ドイツ / プロジェクト活動 / STEAM教育 / ランドスケープ / フィンランド / デンマーク / 戸外活動 / スウェーデン / STEAM |
研究開始時の研究の概要 |
近年のわが国は,都市化やテクノロジーの発展に加え,AIの普及により便利で快適な生活を手に入れた。その反面,生活や学びから自然が分断され,非日常を象徴する自然体験活動という概念が定着した。こうした子どもを取り巻く環境に対し,保育の分野では「日本自然保育学会」が設立されるなど,森や自然を活用した幼児期からの学びを再評価する傾向にある。しかし,これら一連の盛り上がりは,自然豊かな地方や森の幼稚園に偏っているのが現状である。そこで本研究は,ヨーロッパ5か国における自然保育の実態調査に基づき,その教育的意義を明らかにすることで,都市部の保育実践に対応した「自然保育ガイドライン」の構築を目的とする。
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研究実績の概要 |
2022年度の本課題における成果は次の4点である。1)柴田卓(2022)「イギリスにおける自然を活かした保育に関する研究」日本保育学会第75回大会、2)柴田卓、柴田千賀子(2022)「自然を活かした保育活動を促す教材開発の試み~地域資源の活用とSTEAM教育に着目して~」日本自然保育学会第7回大会、3)柴田卓、柴田千賀子(2023)「自然を活かした保育活動を促す教材開発の試み―地域資源の活用とSTEAM教育に着目して―」郡山女子大学紀要第59集、4)後藤みな(2022)「ドイツの幼児教育における自然体験型プロジェクト活動の取組み―森の幼稚園を事例として―」日本科学教育学会研究会研究報告/37巻2号である。1)に関しては、イギリス教育省「Statutory framework for the early years foundation stage 2021」の中で、自然を活かした保育活動に関連する記述の抽出を試みた。加えて、保育施設に対して自然のアクティビティや保育者研修を実施している団体の代表に、ロンドン市内の保育施設ではどのようにランドスケープを活用しているのか、またどのようなテーマやプロジェクトで自然保育を実践しているのかなどについてオンラインインタビューを実施した。さらに、自然環境下における幼児のSTEAM教育プログラム開発に関して、相互に協力することを確認した。2)に関しては、自然環境下における保育活動と自然素材をSTEAM教育の視点から捉え直すための教材と、地域資源としてのランドスケープを保育実践に活かすための教材を開発し、筆者らが実践するフィールドワークにおいてサンプルを収集し、その事例を報告した。3)に関しては、これら一連の取り組みや成果を整理してまとめたものである。4)に関しては、分担者によるドイツの自然体験型プロジェクト活動の取り組みに関する研究である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、Covid-19感染拡大の影響を受け、計画していたヨーロッパ諸国の現地調査が実施できなかったため、研究計画に対して大幅な遅れが生じている。しかし、その代替策としてオンラインインタビューを実施するなどして事例の収集等に努めた。また、本プロジェクトの最終目標である「グローバルな視点と日本への応用を見据えた自然保育ガイドラインの作成」にむけて国内の保育者や野外指導者の協力を得ながら教材開発を開始し、実証的研究をスタートさせた。このことから、やや遅れているという評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画していたヨーロッパ5か国の現地調査は、Covid-19の影響により計画通りに実施することはできなかったが、2023年度は本研究課題の最終年度であることから、「グローバルな視点と日本への応用を見据えた自然保育ガイドラインの作成」にむけて研究成果・研究方法・研究計画を総括しながら整理する。また、研究分担者と連携しながら学会発表や雑誌への投稿、保育教材の開発など研究成果を広く発信できるよう取り組む計画である。
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