研究課題/領域番号 |
19K02663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 千葉敬愛短期大学 |
研究代表者 |
清水 一已 千葉敬愛短期大学, 現代子ども学科, 准教授(移行) (70455088)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自然遊び / 身体感覚 / 身体の同調 / 危険回避 / 自然環境との融和 / 危険の認識 / 溶解体験 / リスク感覚 / 遊び込み |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、子どもが自然と関わる中で、自然物を受容し、「遊びこむ」過程を明らかにすることを目的に、参与観察記録や映像記録による行動、会話を分析していく。 第一に、自然遊びにおける自然物へのリスクに着目し、リスクとの関わりを分析し、子どもの自然遊びへの没入の条件として提示する。 第二に、リスク認識-解消過程から、どのような物語を紡ぎ出しているのか明らかにする。自然物との関わりにおける物語の形式化を試みる。 最終的に、子どもの身体感覚の溶解体験を引き起こす環境的要因としての自然物、他者との関係を整理し、子どもが自然の中で「遊びこむ」ための空間、時間、人の関係性モデルを提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
研究計画初年度の2019年度には、『子どもの自立キャンプ』のキャンプ活動の参加者を観察し、自然の中での遊びにおける危険性(リスク)を子どもがどのように認識し、そのリスクがどのように解消されていくのか、参与観察によりリスクの解消される過程をとらえ、整理していった。それを、「自然遊びの中での身体感覚の変容について」(日本体育学会)、「自然遊びの中での危険体験と物語性に関する研究」(千葉敬愛短期大学紀要)としてまとめた。 2020年度では、コロナ感染症の影響があり、研究計画で示した「参与観察調査」および「聞き取り調査」を一切実施することができなかった。 2021年度は、前年度予定の「参与観察調査」を実施し、森の中での飛び降りの事例では、森の中を走り回ってきたことで、地面の枯れ葉に無意識的に触れており、枯れ葉の柔らかさ、身体を受け止めてくれるということが地下されていることが確認でき、身体の時系列的関わりのつながりにより、安全な身体的行動が表出することを見て取ることができた。また、キャンププログラムの暗闇体験を記録し、分析をおこなった。そこでは、危険を回避する過程において、暗闇を通して自身の身体性(怖さ)に気付き、動きを止め、動きを止めた子どもは、視覚により現れた木の姿(人のかたちに見えかぶさってくる)ことに危機を感じていることが確認できた。これらを、「子どもの主体的な健康の獲得に関する研究」(千葉敬愛短期大学紀要)としてまとめた。 2022年度は、子どもキャンプでの参与観察調査をおこない、これまで観察されてきた「怖さの受け入れ」や「暗闇への侵入」といった、自然環境と身体をとおした関わりの変化に、他者(子ども、大人)の存在の影響について焦点を当ててきた。そこでは、自身の身体感覚だけでなく、他者の身体感覚とのつながりが、新しい行動につながっていることが明らかになった。
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