研究課題/領域番号 |
19K02666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 常葉大学短期大学部 |
研究代表者 |
遠藤 知里 常葉大学短期大学部, 保育科, 教授 (90400704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 野外教育 / 身体性 / 幼児期 / 保育者養成 / 自然体験 / 原体験 / 発達的意味 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は保育の質を高める保育内容としての「乳幼児期の戸外遊び・自然体験」に着目し、「安心して挑戦できる環境要件」の多面的解釈を通して、自然体験の保育/幼児教育への展開方法と評価方法を提案する。研究課題として、1)自然を活用した保育カリキュラムの事例研究、2)身体性の側面から捉える乳幼児の自然体験の意味、3)保育者対象の研修プログラムへの自然体験の応用、の3つを設定する。子ども-保護者-保育者によって共同構築される意味を社会構成主義的アプローチを用いたデータ解釈によって読み解き、保育/幼児教育へのプログラム展開方法や評価方法の実践的提案をめざす。
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研究実績の概要 |
今年度研究では、1)原体験としての自然体験の源泉としての「自然」についての論究、2)幼児を対象としたキャンプの効果の検証に向けてのデータ整理、を行った。 1)については、まず、力学的事象や物体としての自然物と人間との関係の在り方から、野外教育の源泉としての「自然」について考察した。ユクスキュルが提示した「環世界」という世界観を援用して、「地球・重力」、「太陽・星」、「光・温度」、「水・空気」、「生命」、「時間」について整理した。この試みを通して、体性感覚(触覚、深部感覚)と特殊感覚(視覚、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚)とが組み合わさって体験されることによって、自然環境と自己の身体との間で時間的見通しを含んだ身体的現実が構成されるのではないかという着想を得た。さらには、生物と人間との関係の在り方から、野外教育の源泉としての「自然」について考察した。まず、自然界における根源的な事象、野外教育の源泉としての「自然」、受け取るものとしての「身体」との関係を一覧表として整理した。さらに、それを手がかりとして、野外教育活動場面における生き物と人間の身体との関係創出について、幼児のキャンプでの具体的事例を取り上げて検討した。この試みを通して、幼児の原体験的自然体験の理解に「適応」の観点を導入するという着想に帰結した。 2)については、福富ら(2020)が開発した幼児用自然体験効果測定尺度を1泊2日のキャンプの2週間前と1ヶ月後に実施したところ、3泊4日のキャンプの効果を検証した福富ら(2020)と類似の結果が得られた。 今年度の研究を総括すると、理論的検討と実践の効果検証の両側面の進捗を見たが、実践研究の部分に課題が残った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1)新型コロナウィルス感染拡大の影響で、研究参加者や研究補助者を計画通りに確保することができず、当初計画の内容を実施することができなかったため。 2)研究代表者の本務において想定外の出来事が多発し、当初予定していたエフォートを維持することが極めて困難であったため。 3)令和5年度は一部の成果を論文化することができ、成果発表に向けて研究を推進できたといえるが、研究の最終段階である実践研究に至ることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度まで研究期間を延長し、実際の野外教育場面でのデータ収集を行う。現時点で、研究計画の修正が完了しており、順調に進捗しているといえる。
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