研究課題/領域番号 |
19K02673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
森田 香緒里 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (20334021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 作文指導 / 相手意識 / 作文技術 / 言語発達 / 情報の扱い方に関する事項 / 文章表現 / 作文評価 / 作文教育 / 児童作文 / 発達過程 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者がこれまでに研究してきた作文カリキュラムの再検討及び有効性の検証を行い、その作文評価法を開発することを目的とする。具体的には、①言語発達を基盤とした作文技術の明確化・系統化を図り、②それに基づいて再検討した作文カリキュラムの検証、③作文評価法の開発、という手順で行う。 ①については、表現能力の発達に関する国内外の諸研究を検討し、コミュニケーション方略という観点から作文技術の習得過程について理論的基盤を得る。レトリック研究の知見を援用して作文技術の系統性に関する検討も行う。②では作文カリキュラムの再検討を行い、実地調査を通して有効性の検証を行う。③作文評価法の開発についても試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、児童生徒の言語発達と作文技術の系統化を融合した作文カリキュラムとその評価法を開発することを目的としたものである。 本年度は、以下の2点の研究を行った。
(1)これまでに収集した児童生徒の作文データを改めて分析し再検証を行った。特に、相手意識とコミュニケーション方略が文章表現にどのように表出し、また発達するかについての検討を行った。日本と英国の児童作文の国際比較という手法を用いることで、日本人児童生徒の表現能力の発達過程の特性についての知見を得ることができた。
(2)小学校・中学校国語科における「情報の扱い方に関する事項」に着目し、作文指導に連動させる方法について検討した。作文指導における従来の構成指導では、「頭括型・尾括型」「はじめ・なか・終わり」といった配列の指導が中心だが、どのような情報をどのように配列するかといった意図の問題や相手意識との関連が十分ではない。そこで、「情報の扱い方に関する事項」において「情報と情報との関係」を学び、それを作文に生かすことで、より児童生徒の表現意欲と発達とを反映した作文カリキュラムになるものと構想した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、公立の小中学校で作文評価に関わる継続的な調査を行う予定だった。しかし新型コロナウイルスの影響で、児童生徒を対象とした長期的・継続的な調査の遂行は困難と判断した。改めて研究計画を見直すとともに、学校教員を対象とした調査(作文評価の実態や作文評価技術に焦点を当てた調査)に移行する必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
児童生徒を対象とした作文調査の実施可能性も探りつつ、現職教員を対象とした作文評価の実態調査と意見聴取に切り替えることも検討する。教員研修や校内研修などの機会も活用しつつ、公立学校における現職教員の作文評価に関わる実態と課題、現職教員の作文評価技能等について明らかにすることで、作文評価法の開発に迫りたい。
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