研究課題/領域番号 |
19K02681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
石井 俊行 奈良教育大学, 理科教育講座, 教授 (50636446)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 磁界 / 円形導線 / コイル / 教具 / 地層 / 地形図 / 標高 / 月の満ち欠け / 地層の重なり / 物質の密度 / 熱運動 / 熱膨張 / 電子レンジ / 推論スキーマ / 比例 / 一定 / 気体の発生 / 学習の転移 / 類似 / 知識・技能 / 3段階つまずき特定法 / 総合問題 / 中位問題 / 下位問題 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が開発した「3段階つまずき特定法」を用いて,なぜ理解することができないのかを解明する.まず,「総合問題」「中位問題」「下位問題」のテストでの正誤の型の違いで,グループA~Fの6段階にグループ分けをする.次に,どのような知識・技能が不足しているのかを明らかにするために,隣接するグループ間における「それらの解答に直接必要な1問1答式の知識・技能テスト」での正誤者数と「苦手箇所の意識調査」の人数をもとに,フィッシャーの正確確率検定を用いて5%水準での有意差のある箇所を見出し.「押さえておくべき知識・技能」を特定する.そして,それらの知識・技能を補強する授業の有効性を考案していく.
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研究実績の概要 |
本研究1の目的は、2本の円形導線が作る磁界を観察する教具を用いた授業を行うことで、コイルがつくる磁界の理解が促進されるのかを明らかにすることにあった。調査には,中学2年4クラスを対象にした。2クラスを統制群として学習指導要領に基づく授業を行い、他の2クラスの実験群では、統制群の授業に加え、2本の円形導線を用いた実践を行った。その結果、2本の円形導線を用いた実践を行っても、右ねじの法則や極の向きに関する理解には有意な差は認められなかったものの、コイル内外側の磁界が弱め合うことに関する理解には有意な差があることが認められた。したがって、2本の円形導線がつくる磁界を観察できる本教具を用いた実践は、コイルの内外の磁界を弱め合うことの理解に関して効果があることが明らかになった。 本研究2の目的は、中学生の地層学習におけるつまずきを習熟度別に明らかにし、中学生に「地層の重なり」の学習に必要な知識、技能を身に付けさせるための指導法を検討することにあった。調査は「A問題」「B問題」「C問題」「知識・技能問題」のテストを中学3年5クラスに実施した。その結果、それぞれのグループ間においてどの知識・技能が不足していてつまずいているのかの要因を特定することができた。それらを総合的に検討した結果、特に「地形図を読み取る力」、「標高を加味して他地点の地層(火山灰層)を対比し地層の重なりを推定する力」が重要であることが浮き彫りとなった。これらの解決には、社会科の学習内容も加味したカリキュラム・マネジメントの視点で総合的に学習指導を行っていくことが重要である。そのことで地層の広がり方の規則性を見出すことができるようになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であったため、上記の結果を学会誌に載せることと、研究をうまく進めることができずにいた。このため延長をさせていただいた。
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今後の研究の推進方策 |
円形導線が作る磁界を観察する教具の論文を載せることと、中学生の地層学習におけるつまずきに関する論文を学会誌に載せることに挑む。しかし、後者を日本科学教育学会研究紀要に投稿したがリジェクトされた。この論文をさらにブラッシュアップさせ、学会誌に掲載させたい。 また、小・中学校に跨がって学習を行う学習内容やカリキュラム・マネジメントを必要とする学習内容等を再度精査し、その学習の理解が促進される指導法を模索し、検証してそれをまとめて学会紀要に載せていきたい。
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