研究課題/領域番号 |
19K02683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松本 仁志 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40274039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 筆順 / 運筆 / 楷書筆順 / 行書系筆順 / 筆順規範 / 字種 / 抽出 / 字種選択 / 往来物 / 字体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の楷書筆順を特徴づける行書系筆順が定着した過程について、江戸期の寺子屋で広く使用された往来物における運筆順序の分析を通して明らかにするとともに、通史的に解釈して筆順史に位置付けようとするものである。 研究期間内には、以下の点を明らかにする。 1.資料化にふさわしい往来物所収の字種。2.往来物の行草体から運筆順序を抽出・整理するための適切な方法。3.往来物における行草体の運筆順序と明治期以降今日までの楷書筆順との相関。4.江戸期及び明治初期の筆順周辺史料における行書系筆順に関する記述。5.筆順の通史的解釈の文脈における行書系筆順定着過程の位置付け。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本の楷書筆順において行書系筆順が定着した過程について、江戸期に広く使用された寺子屋教材「往来物」の運筆順序の分析を通して明らかにしようとするものである。研究期間内には、「往来物」から40字種を抽出し運筆順序の分析を通して江戸期の行書系筆順の実態を明らかにするとともに、定着の過程を通史的に解釈するところまでを行なった。結果、現在の楷書筆順すべてが行書系筆順と整合性があるわけではなく、字種によって状況が異なることがわかった。しかし、往来物と高い割合で整合する「王」のように今日の行書系筆順として引き継がれている場合があるのも事実であり、明治以降の楷書筆順の変遷につながる流れは確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
・本研究は、同一字種でありながら日本と中国とで異なる筆順があるという事実を、書字に対する環境の違いや価値観の違いなどの史的背景の違いから解釈しようとするものであり、文化としての筆順史の世界を開拓することにもつながるであろう。 ・本研究で調査・分析の対象とする「往来物」資料群は、江戸期日本の寺子屋において広く用いられた教材群であり、量的な側面から筆順使用の実態に迫ることが可能である。したがって、明治期以降の楷書筆順との相関を分析することも可能であり、その影響力を検証することもできる。
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