研究課題/領域番号 |
19K02692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
佐藤 美子 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (50734521)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マイクロスケール実験 / 授業デザイン / 授業実践 / 教材開発 / 探究活動 / 個別実験 / プログラミング学習 / 女子中高生理系進路選択推進 / 探究学習 / 理科実験 / 女子中高生理系進路選択 / 中学校理科 / 小学校理科 / 理科教育 / 主体的学習 / プログラミング / 主体的・対話的学習 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロスケール実験による教材開発と授業デザインの提案を通して、実践的に学校現場への普及を図る。 具体的には、マイクロスケール実験による主体的な学習を支援する実験方法を提案する。次に、詳細な観察による考察の深化、実感を伴った理解の促進等を図る授業デザインを現場の先生方と共に追及していく。 学習効果の高いマイクロスケール実験を日常的に普及させることは意義があり、他の教材実験の開発を促す原動力ともなる。授業実践では,主に小学校教員志望の学生に,理科の指導力向上を目指して実験を含む授業を多く体験させる。
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研究実績の概要 |
令和5年度も研究課題である「理科教育の現代的課題の解決を図るマイクロスケール実験による個別実験と授業デザイン」として1)教材開発、2)実践活動、に継続的に取り組み、研究成果については学会発表および論文として公表を行った。 1)においては、プログラミング学習と連携したマイクロスケール実験の開発、特にmicro:bitを活用した理科実験の開発に取組み、継続中である。また、小学校から高校化学まで、授業で活用できる教材開発を検討してきた。例えば、「金属のイオン化傾向の差を実感させるマイクロスケール実験」として、備長炭を活用した空気マグネシウム電池による車の走行などの開発を行った。 2)においては、マイクロスケール実験を活用した授業デザインとして、実験方法を伝える活動に重点を置いて取り組んだ。7回目の「ひらめき☆ときめきサイエンス」(JSPS主催)での実践活動、近隣の学校・公民館等での実践活動、および「女子中高生理系進路選択プログラム」(JST主催、令和4年から2年間)の2年目として、マイクロスケール実験を用いた実験活動を実施した。「ひらめき☆ときめきサイエンス」では、microbitを用いた実験、金属樹、備長炭を用いた車の走行などを実践し、中高生の科学への関心を高めることができた。小学校や公民館では、偏光シートを用いた実験などを行い、子どもたちが科学を楽しむ時間を提供した。JSTの活動では、SSHの高等学校を中心にマイクロスケール実験を活用した授業を2年間実施した。高等学校の理科教員からは、短時間で数種類の実験を行い、比較検討ができる点を大きなメリットとして示された。また、探究活動の指導や講評の際に、実験手法の一例として、個人で実験に取り組み、短時間で結果を得られること、また、繰り返し実験を行うことができるマイクロスケール実験の利点を伝える機会に恵まれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度まではコロナ禍の中で、様々な制約があり、実践にも支障があったが、2023年度はその制約もなくなり、マイクロスケール実験の実践においては、様々な実践の機会に恵まれ、一定の成果を上げることができたと考える。一方、教材開発の面では、2023年度は、十分に取り組む時間の確保が難しかったが、限られた時間の中で研究に取り組むことは出来たと考える。これまでの研究を振り返り、教材開発を行った実験内容をさらに有効な教材実験へと改良しながら、さらに、有効な授業での実践が可能なところまで、プランニングすることに取組んいる最中であった。今後に向けて、マイクロスケール実験の教材開発を進め、授業デザインを行い、実践に相応しい方法として活用できるところまで検討していきたい。また、実践を繰り返すことで検討を重ねることも今後の課題として、研究を進めていきたいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題の柱となる、1)教材開発、2)実践活動、 に継続的に取り組み の2点において、さらに推進をはかる。特に研究成果の検証を目的とする2)実践活動に注力する。その際、別プロジェクトである「女子中高生理系進路選択プログラム」(JST主催、令和4年から2年間)で得た実践的なノウハウをできるだけ活用して進める。 マイクロスケール実験の特徴である、個別実験、時間短縮、探究的取組み の3点の有効性を広く伝えていくため、現場の教員の方々との連携により、あらたなマイクロスケール実験での利用価値を学校現場において定着させることを念頭に実践と検証に取組む。併せて、1)の教材開発においても、学校現場からの要望をフィードバックしながら、オリジナリティのある実験テーマを中心に取り組む。 具体的には、高校化学を対象にした、探究の要素を取り入れた「電気分解実験」、中学理科を対象にした「イオンの性質とはたらき」について、実践による検証に焦点を絞って取り組む予定である。
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