研究課題/領域番号 |
19K02711
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小田切 忠人 琉球大学, 教育学部, 名誉教授 (00112441)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 基礎数学 / 数の認識 / 十進法 / 知的障がい / 臨床的教育介入 / 学習困難 / 有意味学習 / 概念的理解 / 位取り記数法 / 数認識 / 概念的な理解 / 学習の進展と進行 / 十進法と位取り記数法 / 十進法の理解 / 位取り原理の理解 / スペシャルニーズ / 数概念 / 発達観の転換と学習 / 数の概念的な理解 / 概念画(マンガ絵) / 十進位取り記数法 / スペシャル・ニーズ / 数の概念的獲得 / 基礎数学学習 / 臨床的教育介入データベース |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究では,発達障がいや知的な障がいがある「数と計算」の学習に困難(つまずき)がある子どもたちは,手続き的な学習より概念的な学習がむしろ必要であることを教育介入による臨床的な方法で実証してきた。そして,その臨床データをWEBデータベースにし,教育・研究の関係者に公開する準備を進めてきた。 本研究では,概念的な学習が難しいと思われてきた(だから手続き的な介入が繰り返され,しかし,学習を停滞させていた)知的な障がいのある子どもたちに焦点を当て,その学習達成の可能性を実証的に示すとともに,そのデータベース化を進める。そして,データベースに基づいて,概念的に学習を進める教材例を開発・作成・公開する。
|
研究成果の概要 |
知的障がいのある子どもの基礎数学学習への教育介入の実践的な課題は、次のとおりである。就学して数と計算について学習を始め、十以上の数の学習に進み、深刻な学習困難(学習の停滞)が観察される。そして、繰り返しの学習により、高等部を卒業するときは百までの数唱と数字の読み書きを覚えることはできても、例えば、十円玉3個と一円玉4個を出して「いくら」と問うと「七円」などと答える。 このような子どもたちに、月一回もしくは週一回程度の「授業」と1日1ページ5分以内の「宿題」による「臨床的な教育介入」を実施した。その結果、知的障がいがあっても、金額の同定ができる十進法の学習達成は例外的でなく可能ことを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多様性をキーワードに様々な社会課題が取り組まれている。教育現場では学習障がいのある子どもたちの学びや社会への参加が課題になっている。今後は、知的障がいのある子どもの学びや社会への参加も改めて教育実践課題となるであろう。知的障がいがある場合、百までの数唱やそれらの数字の読み書きを覚えても、お金の計算のような数を概念的に操作する学習の達成には中々到らない。 本研究では、算数の学習障がいが疑われる子どもへの臨床的教育介入(先行研究)を踏まえ、知的な障がいのある学習困難児(者)に対して治療的な教育介入を行った。その結果、知的障がいがあっても概念的な数学習が可能であることを具体的な教材とともに示した。
|