研究課題/領域番号 |
19K02715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
木岡 一明 名城大学, 農学部, 教授 (10186182)
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研究分担者 |
末松 裕基 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10451692)
雲尾 周 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30282974)
織田 泰幸 三重大学, 教育学部, 准教授 (40441498)
川口 有美子 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (40616900)
田中 真秀 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50781530)
鈴木 瞬 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (00740937)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 分散型リーダーシップ / 教育マネジメント / システム開発 / 教職員のキャリア構成 / 危機対応 / 教員リーダー / 他職種構成 / 組織行動連鎖 / 多職種構成 / 学校事故 / 地域学校経営 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、学校組織の動態に対して、失敗事例も踏まえつつ、より精緻に効果的な「分散型リーダーシップ」を発揮する主体間の関係を解明し、その関係が持続的に維持される教育マネジメント・システムを設計して、実践に適用可能なモデルを開発する。 そうした課題設定は、「分散型リーダーシップ」の効果的な発揮には、校長等による階層的・集中的リーダーシップはむしろ不要であり、特定のミドル層に限定されない多様な構成員による状況に応じたchangeable(交換的)な働きかけと、その働きかけがアクティブとなる場・機会の持続的創発を必要とするのではないかと考えているからであり、この仮説検証も企図している。
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研究実績の概要 |
分散型リーダーシップの発揮構造を把握するため、国内については実地調査を行い、海外については文献に記載されたものを素材にし、zoomを用いたインタビュー調査を行った。また理論的な整理のために文献レビューを行った。 その結果、「市内修学旅行」を実施した国内事例については,教育委員会、校長、学年団の各段階で分散型リーダーシップが、それぞれの段階における受容度と自律性の高さに支えられて発現していた。他方、登園自粛中の保育実践事例については、その制約状況に起因して、互いに尊重し信頼し、対等に学び合う柔軟で応答的な関係が見られた。承認と委任のプロセスによって分散型リーダーシップが発現しており、保育者間の信頼関係、当事者意識、自律性(自由度)を前提とし、階層的リーダーシップや実践の主体を変換する機能を有し、組織風土を改善するなどの想定外の帰結を伴うことで、実践の持続性を有するものであった。アメリカにおけるポジティブな学校改革の事例に共通するのは、教員の自律性や専門性が尊重されていたこと、教員たちの当事者意識と信頼関係が醸成されていたこと、協働的な規範が構築されていたこと、校長のリーダーシップが重要であったこと、「分散型リーダーシップ」に適した学校のコンセプトとして「リーダーシップ密度の高い組織(leadership dense organization)」が挙げられていたこと、であった。また、イギリス調査を通じて、「システム・リーダーシップ」と呼ばれる、学校群という広域の学校改善や学校主導型の教育システムを志向する新たな方策が導入されたことを確認した。リーダーシップ開発の規模、持続可能性という点で、学校間連携や地域課題に基づくリーダーシップのあり方が模索されてきたのである。加えて、教員研修についての学校への権限・自律性の付与が行われ、自校を超えるリーダーシップモデルが模索されていた。
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