研究課題/領域番号 |
19K02717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
井上 美智子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (80269919)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 環境教育 / 幼児 / 保育 / 稲作 / 質問紙調査 / 生態学的自然観 / 田んぼビオトープ / ビオトープ / 田んぼ |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化等環境問題が深刻化する今、幼児期から環境教育を導入して環境破壊のない世界をよしとする価値観を育てることが重要である。本研究では幼児期の環境教育普及をめざして乳幼児期から生態学的自然観を育てるために農業などの伝統的第一次産業の体験が有効であるという仮説を立て、こども園に田んぼビオトープを造成し、稲作とそれに関わる文化を媒体に生態学的自然観の形成が可能か観察する。同時に、保育現場を対象として自然と関わる実践の実施実態・実践のねらい・伝統的第一次産業に関わる活動頻度等について質問紙調査を実施し、参与観察から得られた結果と合わせ、保育現場に環境教育を普及させるための具体的方策を提案する。
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研究成果の概要 |
「幼児期の環境教育普及に資する理論構築とそれに基づく具体的実践の提案」という究極目標下で、保育実践における伝統的第一次産業の模擬的経験が乳幼児期からの「生態学的自然観」形成に効果的かという問いの答えを探究した。環境教育の実践研究を継続する研究協力園に田んぼビオトープを造成し、5歳児が稲作に年間を通して取り組み、同時に生態学の理解に焦点を当てた保育者研修を継続することで人間の生活と自然との関わりに保育者や子どもが気付くことが確認できた。また、東京都・兵庫県の保育現場を対象に質問紙調査を実施し、稲作活動の実施実態や幼児期の環境教育に関わる概念理解や活動の実態について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幼児期の環境教育の実践として伝統的第一次産業の模擬的体験に効果があることが確認でき、日本の伝統的産業である稲作という点からも国際的にも発信力を持ち得る学術的成果である。保育現場の実態調査からは稲作の実施実態やその目的設定、保育者の環境教育などについての概念理解の実態がいずれも不十分であることがわかり、幼児期の環境教育として伝統的第一次産業の模擬的体験の導入を進めていく意義が確認できた。持続可能な社会の形成は21世紀の人類の最大の課題であり、幼児期の教育から持続可能な社会の作り手を意識した教育を行うことは重要であり、本研究で確認した成果をふまえた保育実践が普及すればその社会的意義は大きい。
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