研究課題/領域番号 |
19K02735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
花坂 歩 大分大学, 教育学部, 教授 (20732358)
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研究分担者 |
藤井 康子 大分大学, 教育学部, 准教授 (10608376)
佐野 比呂己 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60455699)
大島 崇 大分大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (70715276)
石出 和也 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90552886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 読書空間 / 教科融合 / 読むこと / 身体教育 / 強化融合 / 読みにおける想像力 / 読書空間の創出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず第1に、読書行為を取り巻く空間性(状況性)の創出を音楽科、美術科とともに試みる。第2に、理論の実践的検証に取り組む。第3に、戦後の国語教育実践を再評価する。1つは読みにおけるイメージ形成論(1970~2000)、もう1つは1950年代の「生活綴方教育」である。それらの調査・考察によって、「読むこと」と「書くこと」の調和的育成を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究では、予測困難性、解決困難性が増すこれからの時代を見据え、3つの観点から読書行為の質的充実と教育的効果の波及を目指している。 第1の、読書行為を取り巻く空間性(状況性)の創出については、当該年度(2022年度)は、《理論統合期》として、計6本の論文を発表した。その内、「言語と思考と体験を豊かにする虚構体験の構造化-巻き込み・巻き込まれ現象の具現化-」では、これまでの研究の総括を行った。特に、音の現象性について研究を進めている石出和也の研究を踏まえ、読書行為に寄与する音の活用を検討することができた。また、藤井康子とは国語と美術(図画工作)の教科融合の検討を継続しているが、美術(図画工作)科には美術(図画工作)科の指導すべき内容があるため、読書行為の質的充実に引き寄せることは現実的には困難であった。今後、解決すべき大きな課題である。 第2の、現場の実践家との共同研究体制の確立については、当初の想定を上回るほどに確立できている。大分県内の公立小学校にて教科横断的な授業を6月に試行した後、10月にはさらに規模を拡大しての実践を行った。今後の課題は、限られた時間の中で、限られた人員を下回る状態で教育活動が展開されている学校現場において、今後、どのように研究開発をしていくか、理論とは異なる部分において、大きな困難に直面している。 第3の、戦後の国語教育実践の再評価については、やや遅れている。研究代表者は1970年代から1990年代の文学教育の通史研究に取り組む中で、当時の授業が子どもの「つぶやき」を重視していることを見出している。1950年代の「生活綴り方」に関する資料を整理し、2022年度に成果としてまとめる予定であったが、新型コロナ感染症への対応が依然として研究を圧迫しており、遅滞している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的の第1に掲げていた読書行為を取り巻く空間性(状況性)の創出についての理論的研究はほぼ予定通り完了している。2023年3月に総括としての論文(「言語と思考と体験を豊かにする虚構体験の構造化-巻き込み・巻き込まれ現象の具現化-」)を投稿し、新たな課題とともに、研究を整理した。
目的の第2に掲げていた現場の実践家との共同研究体制の確立についても、十分に確立できた。当初、2者2校程度の予定であったが、県内の各地に共同研究体制を構築できている。
目的の第3に掲げていた戦後の国語教育実践の再評価については、やや遅れている。「生活綴り方」に関する資料を整理し、2022年度に成果としてまとめる予定であったが、新型コロナ感染症への対応が依然として研究を圧迫しており、遅滞している。
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今後の研究の推進方策 |
目的の第1に掲げていた読書行為を取り巻く空間性(状況性)の創出についての理論的研究はほぼ予定通り完了している。
目的の第2に掲げていた現場の実践家との共同研究体制の確立についても、十分に確立できた。当初の予定以上に県内の各地に共同研究体制を構築できている。引き続き、良好な関係構築に努めていきたい。
目的の第3に掲げていた戦後の国語教育実践の再評価については、やや遅れている。「生活綴り方」に関する資料を整理し、2023年度に成果としてまとめるとともに、昭和初期に展開された久留島武彦の口演童話に重要な示唆があることが文献収集によって明らかになった。その示唆についても論文としてまとめたい。
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