研究課題/領域番号 |
19K02742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
中松 豊 皇學館大学, 教育学部, 教授 (00456617)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 食作用 / 教材開発 / 昆虫 / 血球 / 高等学校 / 生物基礎 / アワヨトウ / 蛍光インク / in vitro法 |
研究開始時の研究の概要 |
生物基礎において免疫の探求活動の実施率を上げるため以下の研究を進める。1)高校生が直接昆虫に触れなくても実験可能な方法を確立するため、血液の採取とそれを保存する適切な方法を、体液のメラニン化、血球培養の際の培地、培地への添加物と温度の設定などを検討することで確立する。2)食作用をリアルタイムで観察するためには血球を長時間培養しなければならないので、食作用をする確率の高い昆虫の血球の選択、血球の分離方法、培地の選択、培地への添加剤の検討などを行う。3)in vitro実験法によって食作用を起こした血球を固定しSEMによる観察を行う。さらに、無固定観察技術を使って血球が異物を捉える瞬間を観察する。
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研究成果の概要 |
5年間でのべ13校64クラスの生徒によるアンケート結果から、大学生のアシストなしに食作用をした血球を自分で見つけられた生徒が42.9%と少なかった。検討の結果、異物を墨粒から蛍光インクに変更することにより、生徒自身で食作用をした血球を見つけることができる割合が88%に向上した。 当初は生きた昆虫から血球を採血することが苦手な生徒が多く見受けられたが、本学学生によるティームティーチングによって100%近い生徒が実験を行うことができた。しかし、本観察・実験の教材化にあたり、元々の目的であった昆虫本体を使わず血球を提供する教材の開発については、現在アワヨトウの血球由来の細胞培養株を使って進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高等学校生物基礎の教科書には5社中3社で、主に昆虫の血球を使った食作用の観察実験が採用されている。しかし山野井ら(2013)の報告によると、この実験の実施率は基礎生物のなかでも最下位に位置している。前回検討を重ねた結果「50分でできる昆虫の血球の食作用の観察」(2014)、「蛍光インクを異物として用いた昆虫の血球による食作用の観察」(2021)にまとめ、今回材料の調達方法やアワヨトウの細胞培養株の利用、さらには電子顕微鏡ではなく光学顕微鏡におけるリアルタイムで観察できる現象の観察の視点を得たことで、全国の高等学校でこの実験を採用する割合が増えるものと思われる。
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