研究課題/領域番号 |
19K02749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 文教大学 (2021-2022) 宮城教育大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
小畑 千尋 文教大学, 教育学部, 教授 (20364698)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 音痴克服 / 中学生 / 自己肯定感 / 歌唱指導 / 内的フィードバック / 教材開発 / 聴覚障害学生 / 感音性難聴 / 縦断的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
中学校では、音楽の授業、校内合唱コンクールなど他者と歌う機会が多々あるにもかかわらず、自分自身のことを「音痴」だと思い、歌うことへのコンプレックスを持つ生徒が多い。そこで本研究では、歌唱における生徒自身の内的フィードバック能力(自分自身の歌唱の音高・音程が合っているかどうか認知できる能力)向上と生徒の心理面に着目して、中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、歌唱における生徒自身の内的フィードバック能力向上と生徒の心理面に着目し、中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発を行うことである。 本年度は、2023年1月に研究協力校である公立C中学校において、中学2年生全クラス(6クラス:約170名)を対象に、開発した内的フィードバック獲得のための指導法を含めた授業、及びその検証を行った。授業実践については、C中学校の音楽科教諭と実施内容、実施方法等について検討を重ね、対象生徒らの本年度の既習曲も活用した内容とし、本申請者と音楽科教諭が各クラスで行った。新型コロナウイルス感染症拡大の状況を鑑み、感染予防に十分に配慮した上で調査を行った。 同時に、各授業の前後において、音痴意識に関する質問紙調査を行った。質問紙調査の実施についても、生徒の実態に即した内容、実施方法とするために、音楽科教諭と協議、検討を重ねた。 また、本申請者が教員養成課程に在籍する聴覚障害学生に対して継続的に実施した歌唱指導事例について、特に内的フィードバック獲得の観点から分析を行った。その結果、重度の感音性難聴の学生であっても、内的フィードバック能力が獲得でき、そのことに伴い、自己の発声を受容し、「歌う」発声を楽しむ姿が認められた。これらの結果は、論文としてまとめ、聴覚障害者に対する歌唱指導においても、内的フィードバック能力獲得のための指導が有効であること、さらに聴覚障害児の歌唱活動への新たな展開についても示すことができたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力校C中学校での検証授業については、コロナ禍であったが、C中学校の全面的な協力を得て、音楽科教諭と内容、実施方法について充分な協議を重ねた上で、感染症対策に十分留意しながら、中学2年生6クラス(約170名)の生徒を対象に実施することができた。 また、教員養成課程に在籍する聴覚障害学生に対する継続的な歌唱活動における内的フィードバック獲得の観点からの分析結果について論文としてまとめ、国内学会誌に掲載された。 以上の理由から、本研究がおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、2019年度から3年間実施した中学生を対象に行った歌唱技能、音痴意識を中心とした歌唱に関する意識の縦断的調査について、詳細な分析を行う。さらに2022年度にC中学校で実施した検証授業についての分析を行い、実際に運用できる実践モデルを完成させる。
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