研究課題/領域番号 |
19K02771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
濱谷 佳奈 大阪樟蔭女子大学, 児童教育学部, 准教授 (60613073)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ドイツ / 宗教教育 / 道徳教育 / 学力 / 多様性 / 市民科 / 実践哲学科 / 倫理・哲学科 / コンピテンシー / 学力形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「倫理・道徳教育」を担う教科と、教育活動全体を通した「学力形成」との関係を、ドイツをフィールドとして実証的アプローチから考察し、多様性を包摂する「倫理・道徳教育」と「学力形成」をめぐる構造とその意義を解明することを目的とする。「倫理・道徳教育」と「学力形成」との関係を検証することによって、「倫理・道徳教育」を「学力形成の基礎」と捉える可能性を究明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ドイツの学校教育に注目し、多様性を包摂する「倫理・道徳教育」と「学力形成」をめぐる構造とその意義を明らかにすることを目的としている。2021年度は、主に以下、(1)ドイツの教育課程の構造に関する研究、(2)日本国内での学校調査、(3)日独間の比較分析、の三つの観点を重点化して研究を進めた。 (1)まず、ドイツでの非認知能力の位置づけを連邦レベルの法的根拠などから確認し、2州の事例に基づきながら、各州教育課程においてどのような資質・能力の育成が目指されているかを検討した。次に、そうした非認知能力が、コンピテンシー志向の教育課程全体の中でどのように位置付けられているのかを整理し、その上で、非認知能力が学力形成とどのような関係にあるのか考察を試みた。考察の結果については、日本比較教育学会において知見の共有を図った。加えて、初等中等教育段階の学校での気候変動教育の場合を題材として、その可能性と課題を多角的に検討することにより、学校教育における知と倫理と行動の関連性を再考する必要性が明らかになった。得られた知見をオープンアクセスとして公表した。 (2)日本国内での授業研究の準備段階として、品川区市民科の創設経緯とカリキュラムの特徴を分析した上で、授業観察と関係者へのインタビュー調査を開始した。これにより、「倫理・道徳教育」を「学力形成の基礎」と捉える場合のドイツとの比較の日本国内の参照先についての研究に着手することができた。 (3)上述の日本国内での調査結果に基づいて、本研究を基課題とする国際共同研究と連動させながら、日独比較分析を行った。得られた知見については国際学会(WCCESシンポジウム)において口頭発表を行い、多様性とその承認をめぐる日独間の教育実践にみられる共通点と相違点を明確にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日独双方の研究協力者らとのオンラインでの研究協議を重ね、共同研究の成果を国際学会で発表できた。また、日本国内での学校調査にも着手することができた。一方で、ドイツ国内の学校でのフィールド調査についてはいまだ実施できていない。このため、本研究課題の進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染拡大による影響を慎重に見極めつつ、2022年度はドイツの学校でのフィールド調査を実施する。とりわけ、ドイツ側研究協力者との協働により、研究対象とする重点的教科および領域に関する研究を前進させる。
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