研究課題/領域番号 |
19K02780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
石田 淳一 東京家政大学, 家政学部, 教授 (70144186)
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研究分担者 |
山本 光 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (00293168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 協同学習 / 算数授業 / 発話分析 / グループ学習 / 相互作用 / 学び合いスキル / 教室談話 / 学び合いの授業づくり / 算数 / 対話的学び / 算数科協同学習 / 質的研究 / 談話分析 |
研究開始時の研究の概要 |
算数協同学習における子どもどうしの相互作用による対話的学びの様相を分析して、グループ学習の成立条件を明らかにするとともに、抽出児の学びの姿を3年間継続して追跡し、数学的な見方・考え方の視点から対話的学びの変容プロセスを捉えることを目的とする研究である。研究1では「発表討議型」と「解法探索型」の2タイプのグループ学習の特徴を明らかにする。研究2では2タイプのグループ学習を算数授業に効果的に取り入れるための条件を明らかにする。研究3では同一抽出児を第4学年、第5学年、第6学年の3年間継続して追跡し、グループ学習や全体の話し合い場面の発話分析から対話的学びの変容プロセスを質的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は2021年度に引き続き、広島市立山田小学校の4年と5年の算数授業を定期的に観察し、授業データを収集した。また福山市内暁の星小学校の4年の算数授業のデータ収集を行った。いずれも授業全体のデータとともにグループ学習の様子をビデオカメラで記録し、発話記録を作成し、分析のための資料が収集できた。 論文作成に関しては至学館大学の鈴木正則教授との共同研究によって、解法探索型グループ学習と解法発表型グループ学習のちがいがグループ学習における相互作用に及ぼす影響を小学校6年の比の応用の問題解決場面を例に分析し、解法探索型グループ学習において「拡張の発話による連鎖」の相互作用によって班員の理解深化が図られる事例を示した(科学教育研究、46(3)2022年)。また小学5年生を対象に小数乗除文章題の立式に数直線図や関係図が与える効果を調べた。その結果、全体的に関係図を選択した児童の立式の成績が優れていた(科学教育研究、46(4)2022年)。小学4年、5年、6年を対象に値上がり問題と値下がり問題を用いて2つの数量の関係と別の2つの数量との関係を割合を用いて比べることができるかどうかを調べた。その結果、成績に学年間の要因は認められず、割合を用いて問題解決することが困難であることが示された(日本数学教育学会誌、104(10)2022)。 さらに鈴木教授とグループトークと全体交流の往還によるグループ方略を取り入れた算数授業の効果の研究や2グループが合体したチーム学習における問題解決の様相を発話分析から解明する研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長期間の学び合いの算数授業が児童の問題解決過程や相互作用に及ぼす影響を調べることが目的であるが、2020年度、2021年度、2022年度と学校訪問が制約を受けて計画通りのデータ収集が困難であったため、1年間の変容など可能な範囲で児童の学びの変容を捉える研究を進行させている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度、2022年度に収集した算数授業データを手掛かりに学び合いの算数授業における児童どうしの相互作用の特徴や児童の理解深化について研究を行う。また2023年度は2022年度に条件付き採択となった論文の修正作業を行う。さらに、「ハノイの塔」問題を用いて、探索型グループ学習における成員の相互作用が児童の問題解決に及ぼす影響について共同研究論文の作成を進める。
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