研究課題/領域番号 |
19K02787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
貴志 倫子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60346468)
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研究分担者 |
荒井 紀子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 名誉教授 (90212597)
井元 りえ 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (30412612)
鈴木 真由子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60241197)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 教員研修 / 生活者育成 / 家庭科 / レッスン・スタディ / 消費市民社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,UNESCOが提唱する生活に責任をもつ市民(生活者)の育成のために,その役割を担う家庭科のレッスン・スタディを国際連携のもとで推進することを通して,授業研究の過程に必要な情報とツールを解明し,家庭科教育の視点に基づく授業研究を充実させることを目的としている。 生活者育成にかかる授業研究過程を対象とした国際的検討はほとんど行われておらず、本研究により生活者育成の授業の質を左右する要素を総合的にとらえた教員研修のモデルを提案することで,研究会組織等での授業研究の発展的展開に貢献できる。
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研究実績の概要 |
本研究は,UNESCOが提唱する生活に責任をもつ市民(生活者)育成のために,その役割を担う家庭科のレッスン・スタディを国際連携のもとで推進し,授業研究の過程に必要な情報とツールを解明し,家庭科教育の視点に基づく授業研究を軸とした教員研修のモデル作成を行うことを目的とした。 本年度は第一に,責任ある消費にかかる欧州の教員研修プログラムProfESus.euについて,同プログラム開発の背景にある1990年代の欧州の学力論と持続可能性にかかるコンピテンシー開発の経緯と特徴を考察して日本家庭科教育学会で発表を行った。加えて,同プロジェクト報告書の訳出と関連情報の収集整理によって,プログラムの概要と研修で提案された具体の授業案および研修履歴の活用について日本の研修への示唆を考察し、同学会にて発表した。第二に、これまでに作成した日本のレッスン・スタディによる授業動画教材を用い,21~22年度にかけて校種、対象の異なる8つの教員研修において試行したプログラムに対する受講教員の気づきの分析結果をアジア地区家政学会で発表した。さらに本研究によって得られた知見をもとに,国際的視点からみた日本の家庭科教育の教科特性と,家庭科教師の成長を促す研修方法としての日本の授業研究の在り方をまとめ,学術書の一部として公表した(日本家庭科教育学会編,2024)。 総括として,本研究の成果の一つは,レッスン・スタディを切り口とした国際学会でのシンポジウムやワークショップの実施,研修事例の学会発表等を通じ,レッスン・スタディに関心を寄せる国外の研究協力者を中心とした継続的なネットワークが形成されつつあることである。二つは、責任ある消費にかかる欧州の教員研修プログラムの検討や日本での研修実践の分析から,今後,持続可能な生活にかかる生徒と教師双方のコンピテンシーに基づく授業研究や研修実施の方向が見いだせたことである。
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