研究課題/領域番号 |
19K02815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
森 有希 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (30782049)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 道徳科チームミーティング / モデレーション / 協働的な授業研究 / 道徳科 / 教員の評価力 / 言語活動 |
研究開始時の研究の概要 |
道徳科における教員の評価力向上のために、評価の過程や結果において他者の意見との比較調整を行うモデレーション(moderation)を導入した評価検討プログラムを開発する。 モデレーションを導入した評価検討プログラムとしては、授業前、授業実施、授業後の3ステップにおいて、児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を把握するための具体的な評価活動の内容を開発し、このプログラムの実施・検証を通して教員の評価力に関してどのような効果があったのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、道徳科において児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子について一貫性のある評価を行えるよう、教員の評価力を向上させていくための評価検討プログラムを開発し、その有効性を明らかにすることである。 これまでの本研究では、考案した「道徳科の事前・事後研究シート」を活用して、学校内での道徳科の事前・事後研究の中でモデレーション活動を行うための協働的な授業研究会「道徳科チームミーティング」を試行的に実践した。本研究で名付けた「道徳科チームミーティング」は、考案した道徳科の事前研究・事後研究シートを活用することで道徳科としての専門性が一定確保されること、また、事例研究の手法を参考にしてファシリテーターが参加者の質疑応答や意見交換を促進することで協働的な授業研究会が行われることが見いだされている。 2023年度においては、学校での校内研修や、県教育委員会主催の研修会において、この「道徳科チームミーティング」の手法を用いて、道徳科の事前研究会や事後研究会を行った。参加者からは、「校内研修も『道徳科チームミーティング』の手法を使えば、協議しやすく、組織力や同僚性も高まると感じた。事前研究シートは、個人で教材研究をするときにも役立てたいと思う。」「協議の視点を絞り、みんなの意見を出し合いながら解決策を見つけていく道徳科チームミーティングのよさを感じることができた。」といった意見が寄せられるなど、「道徳科チームミーティング」が、教員の授業改善の意欲に働きかけて継続的・自律的な教員の学びを促すとともに、ファシリテーターが教員相互の意見交換を促しながら省察活動を行っていくことで教員同士の同僚性を構築し得るものであることが見通せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度には、「道徳科チームミーティング」を学校の校内研修や県教育委員会主催の研修会で実践し、研究実績の概要に示すような成果を見いだした。 コロナ禍以降、協力いただく学校数を増やすことは難しい状況にあることから、補完的な実践として、学校だけでなく、県教育委員会主催の集合研修などにおいても「道徳科チームミーティング」の手法でモデレーション活動を生かして道徳科の事前研究・事後研究を行うことに着手した。その結果、県内各地で15回を超える事前研究会・事後研究会を行うことができ、実践を県内に少しでも広めることができた。 しかしながら、当該年度は、これまでコロナ禍で滞っていた実践活動を中心に行ったため、研究の整理やまとめが十分にできずに進捗状況に遅れを生じさせてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに行ってきたモデレーション活動を生かした協働的な授業研究「道徳科チームミーティング」についての実践を整理し、まとめることに特に注力する。 そのうえで、研究のまとめとして、学会発表及び論文投稿、冊子の作成などを通じて学術的貢献を行う。また、道徳教育に関する研修会等を開催し、道徳科における教員の評価力や指導力といった授業力の向上に貢献していく。
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