研究課題/領域番号 |
19K02822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 高知大学 (2022-2023) 京都ノートルダム女子大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
渡辺 春美 高知大学, その他部局等(名誉教授), 名誉教授 (10320516)
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研究分担者 |
冨安 慎吾 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40534300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 漢文教育史 / 漢文教育思潮史 / 漢文教育実践史 / 漢文教育個体史 / 漢文教育実践 / 漢文教育文献目録 / 漢文教育 / 実践史 / 文献目録 / 漢詩 / 日本漢詩・漢文 / 論語 / 故事成語 / 史伝教材 / 漢詩教材 / 授業構想 / 作品別 / 戦後 |
研究開始時の研究の概要 |
漢文教育に対して、否定的な学習者が70%を超えるという現状がある。その現状を根本的に改善しようとするのがこの研究である。 改善のために、作品・分野別に漢文教育の戦後の授業の歴史を研究し、その成果と課題を生かして授業作りを進めることが必要である。また、漢文の優れた価値を教師が教え込むという、これまでの考えを改め、学習者が漢文と対話することを通して、その価値を創造するという新たな考えに基づく漢文教育を進めたい。 この研究は、漢文の授業の歴史に学び、新たな漢文教育観(「関係概念」に基づく漢文教育観)に基づいて授業を計画し、研究授業によって成果を確かめ、よりよい漢文教育を提示しようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「関係概念」としての古典観に基づき、作品・分野別漢文教育実践を史的に考察し、その成果を生かして漢文教育実践の活性化を求めるものである。そのために実践の史的考察の観点を①興味・関心・問題意識の喚起、②学習材の開発・編成、③主体的学習の保障、④付けるべき読む力の設定、⑤協働的学習、⑥創造的読みと批評、⑦学習者による批評をとおした内化に置いている。併せて、実践の背景となる思潮史・課程史の研究、漢文教育個体史の研究も進めた。 2023年度は、渡辺春美が実践史として「戦後漢文教育実践史の展開―漢詩創作指導の場合―」(『語文と教育』37号)・「戦後漢文教育実践史の展開―戦後初期漢文単元学習の構想と試行―」(『国語教育学研究誌』34号)、論史として「安藤信廣の漢文教育論―『漢文を読む本』(一九八九年 三省堂)を中心に―」(『国語論集』21)、「戦後漢文教育の展開―長澤規矩也の漢文教育論―」(『九州国語教育学会紀要』13号)を発表した。また、授業実践に基づき、石村由里が「生きた学びとしての『論語』の学習」・「楽しみながら学ぶ『故事成語』」(後掲報告書)、大栗真佐美が「中学生の深い学びのために―素読×教科等横断的な学習を用いての漢詩授業―」(同)をまとめた。さらに、冨安慎吾が文献目録(同)を補充した。 2019年~2023年度にわたる本研究全体では、①思潮(論)史、②実践史、③作品・分野別実践史、④実践個体史、⑤漢文教育実践の考察を行った。③については、論語・漢詩・史伝・日本漢詩文・漢詩創作の実践史をまとめた。さらに、文献目録(2006~2023年)に840編を掲載している。本研究の成果と課題は、報告書『戦後漢文教育実践史の展開―漢文教育思潮史・実践史・個体史にむすぶ実践の創造―』(2024年3月 全438頁)にまとめた。
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