研究課題/領域番号 |
19K02833
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
佐見 由紀子 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (40725868)
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研究分担者 |
植田 誠治 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (90193804)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 生活習慣病 / 改善意欲 / 改善自信 / 保健授業 / 中学生 / 歯周病予防 / 予防行動 / 意欲 / 自信 / 教材開発 / 教材 / 中学校 |
研究開始時の研究の概要 |
新学習指導要領において新たに中学校2年生を対象に実施することとなった生活習慣病予防の授業において、予防行動をとる意欲と自信を高める教材開発を行い、実践し、その評価を行う。生活習慣病は、中学生にとって今すぐに罹る病気ではないことから、学習する意欲や予防への意欲をもちにくいことがこれまでに指摘されている。研究代表者が行った過去の研究においては、中学3年生を対象として、生活習慣病の身近さを実感させる教材開発を行った結果、身近さの実感は高められたが、予防行動の意欲や自信は十分に高まらなかった。よって、身近さに加え、自身や意欲を高める教材開発が急務である。
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研究実績の概要 |
2022年度2~3月に、これまでコロナウイルス感染拡大により実施できていなかった、中学2年生140名を対象に生活習慣病予防の保健の授業を4時間担当することができた。 また、授業の事前、事後の質問紙調査を実施することができ、来年度実施予定の本調査に向け、貴重な予備調査となった。 事前、事後の調査では、主に、生徒の生活習慣病への罹患性の自覚、重大性の自覚、予防行動をとる意図(意欲)、予防行動の自己効力(自信)についての質問項目を各1項目設定し、それぞれに回答した根拠として、授業で取り上げた教材や授業外のメディアや書籍、保護者との対話などの経験のいずれが影響を与えていると考えるかの回答を求めた。 特に、授業では、1・2時間目には、罹患性と重大性の自覚を高めるために、糖尿病と動脈硬化についての授業を行った。さらに、3・4時間目には、予防行動をとる意図や自己効力を高めるために、新たな2つの教材を開発し、実践した。3時間目のがん予防の学習活動において、「なぜ日本人にはがん患者が多いのか?」という問いのもと、ジクソー法の考えを参考にし、資料を読み解き、内容を教え合う活動である。4時間目のまとめの授業では、保健行動理論のシーソーモデルの考え方を取り入れた教材を開発した。中でも、自身の生活習慣病予防行動の障害になる考えを取り上げ、それに代わる有益性の考え方を強化するか、障害となる考え方を変えるよう、各自考える活動を取り上げた。 その結果、がん予防の教え合い学習やシーソーモデルによる振り返り学習が、生徒の意欲や自信を高めることに一定の効果があると言えそうであった。このことから、来年度は倫理申請の承認を得て、保護者の同意も得たうえで、本調査、および保健の授業を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までコロナウイルス感染拡大により、研究者が中学校において授業実践をすることが難しかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施した事前事後調査については、8月までに集計・分析し、本学研究紀要に投稿する予定である。11月までに倫理申請を行い、当該校の管理職、保健体育教員、養護教諭、保護者に説明の文書及び同意書を配布し、了解を得たうえで、調査及び授業を実施する。事前調査は1月に、授業4回は2~3月に、事後調査は3月の授業終了時に実施する予定である。
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