研究課題/領域番号 |
19K02844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大正大学 (2020-2023) 日本女子体育大学 (2019) |
研究代表者 |
稲井 達也 大正大学, 教職支援オフィス, 教授 (30637327)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 読書活動の推進 / 経験主義と系統主義 / 読解指導 / 学力向上 / 情緒や感性 / 読書のグランド・デザイン / 社会的包摂 / 読書の社会的な意義 / 司書教諭 / 学校司書 / 探究学習 / 公共図書館 / 大学附属図書館 / 社会的な包摂 / 本へのアクセスビリティ / 学習指導要領(試案) / 学校図書館の手引 / 民主主義 / 学校図書館の活用 / 読書センター・学習センター・情報センター / グローバル化 / ネット社会、AI社会 / 学校文集 / 生活文 / 読書感想文 / 青少年読書感想文全国コンクール / 朝の10分間読書 / ヤングアダルト(YA) / 子どもの読書活動の推進に関する法律 / 文字・活字文化振興法 / アナログ / デジタル / 情報活用能力 / 情報の共有・発信 / ICT活用 / 経験主義 / 学校図書館の利活用 / 読書指導 / 学校図書館 / 単元学習 |
研究開始時の研究の概要 |
戦後初期の新教育の中においては、学校図書館法の施行を契機に教科と効果的に連携する読書指導の実践が模索されていた。しかし、その後の経過の中で、徐々に読書指導は国語科教育における読書指導と学校図書館活用教育における読書指導という2つの領域に分離する実態論的状況が生じ、国語科教育学と図書館情報学を基盤としてそれぞれ独自に発展した。読書指導は教科外における「読書活動」として位置付けられることが多い。このような分離的状況の発生過程を詳細に検証し、国語科教育と学校図書館活用教育の読書指導論の意義と方法、実践を通して導き出された知見をそれぞれ明らかにする。
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研究成果の概要 |
戦後初期は新教育の名の下、経験主義教育の隆盛の中で読書指導は生活指導の一環として、児童生徒の読書生活をつくりだすという考え方の中で学校全体での取り組みが進んだ。『学校図書館の手引』を標準として、読書指導は草創期の学校図書館の活用指導との関連の中で取り組まれることが多かった。しかし、昭和33年の学習指導要領を一つの転換点として、学力向上を目指す系統主義教育の文脈の中で、国語科の読書指導はやや後退した。同時に国語科では読解指導が中心になっていった。また、読書指導は学校図書館の利活用指導の中での取り組みが進んでいった。教科の学習指導で図書を活用する調査・研究の読書指導も尊重されるようになっていった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2001年の「子どもの読書活動の推進に関する法律」の施行以降、学校での読書指導は進み、読書率は改善され、学校関係者には読書に対する社会的な意義が周知されるようになった。本研究は読書を基軸とした歴史研究であるが、本研究を通して、読書指導が子どもの情緒や感性といった情動的な育ちの文脈で意義を認める言説が多くを占めることも分かった。読書は学力向上という教育的な意義が強いことが明らかとなった。読書指導を学校教育の中だけではなく、多面的・多角的に捉えることが大切であり、社会的包摂を目指したグランド・デザインの中で、家庭、図書館、書店も視野に入れながら読書という営みの意義を社会的に位置付けることができた。
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