研究課題/領域番号 |
19K02858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
櫻井 典子 新潟大学, 教育基盤機構, 准教授 (00537003)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地域と大学の協働 / 地域連携学習 / コミュニティ ベースト ラーニング / サービス・ラーニング / 学生の成長 / パートナーシップ / チームワーク / 教職協働 / コミュニティ・ベースト・ラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の課題は「学生・教職員・地域住民が互いを高め合う地域連携学習モデルの構築」である。近年、個人志向化が社会全体に広がっている傾向にあり、この解決に向けて今後の社会を創る若者を中心にチームで社会課題に取り組む経験を重ねていくことが重要である。本研究は、地域連携学習プログラム「新潟大学ダブルホーム」を対象とし、申請者のこれまでの研究をさらに発展させ、他大学の先進事例や卒業生調査を踏まえて導入授業やプログラムを改善させていく。改善-検証を重ねて得られた知見から活動の担い手である学生・教職員・地域住民が互いを高め合う新たな地域連携学習モデルを提示したい。
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研究実績の概要 |
本研究は、準正課の地域連携学習プログラム「新潟大学ダブルホーム」を対象とし、「学生・教職員・地域住民が互いを高め合う地域連携学習モデルの構築」を目指すものである。2023年度は、多様な学部の学生365人が教職員66人と共に18ホーム(本プログラムではチームをホームと呼んでいる)で新潟県および山形県で地域活動に取り組んだ。課題であった学生のリフレクションと教職員によるフィードバックの場づくりに向けて以下のようにプログラム改善を行った。1)活動後のリフレクションのリマインド:オンラインフォームを活用して手軽に活動リフレクションができるようにしており、活動時間終了に併せてリマインドメールを自動送信した。2)成果発表会での教職員フィードバック:12月開催のシンポジウムにおける各ホームの成果発表の場で教職員による評価を導入した。3)地域との対話活動:次年度活動計画に向けて学生・教職員・地域住民による対話活動を促進し、これまでの活動を振り返り、次年度の計画を考える場づくりを行った。 これらの取組の成果として、年度末の参加学生アンケート結果から活動の振り返りや教職員からのアドバイスや評価に対する経験意識が高まり、活動満足度も有意に向上したことが認められた。シンポジウム後の活動地域住民アンケートからも本活動への満足度の向上が認められた。今後、教職員や地域住民へのインタビュー調査等も実施し、成果や改善点を見出していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①先行事例のプログラムとパートナーシップ状況の整理:23K02537の共同研究者として5事例の調査を実施し、本研究における他大における事例調査は学会や文献による情報収集にとどまった。23K02537における事例調査結果(大学と地域の関係性の変容が地域へもたらす影響)を本研究の地域と大学のパートナーシップのあり方という視点から捉えて、信頼関係構築のための対話、目標共有、誠実な姿勢といった点を本プログラム改善にいかしている。 ②活動地域調査:2023年度は、活動地域を変更した1ホーム(柏崎市)の担当教員として、また23K02537対象事例1ホーム(十日町市)の調査員として、地域活動の現状を把握し、地域と大学の連携の在り方について考察した。今後は、より多くのホームの活動に参加し、プログラムの改善点を探っていく。 ③卒業生調査:予備調査から本研究の対象プログラムの卒業生へインタビュー調査を実施予定であったが、2023年度も12月の本プログラムシンポジウム参加者への質問紙調査にとどまった(9名)。これを予備調査として、今年度中に本調査を実施する。 ④本プログラムの改善とその効果検証:①~③で得られた知見をいかしながら本活動の意義や活動目的・プロセスをステークホルダー同志で共有していく体制、学生のリフレクションや教職員のフィードバックのあり方などについて改善・検証を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
地域連携学習をとおして参加者である学生、教職員、地域住民が互いを高め合うプログラム構築を目指し、本研究の最終年度として、以下の研究項目で進める。①先行事例のプログラムとパートナーシップ状況の整理:現時点で得られている知見を整理し、大学と地域のパートナーシップについて考察を行う。②活動地域調査:活動地域との関係の再構築に向けて活動地域代表者へのインタビュー調査を実施し、今後のプログラムや体制改善にいかす。③卒業生調査:2023年度アンケート調査結果を踏まえてインタビュー調査を実施する。対象プログラムを卒業時まで継続した卒業生に課題に直面した時や将来についての見通しについての考えにどのような経験が学生時代に必要であるのか、在校生に経験してもらいたいこと等について尋ね、本プログラムの改善につなげる。④導入授業およびプログラムの再デザインとその効果検証:①~③における知見をいかしながら授業およびプログラムを改善する。その効果を検証し、さらに改善していくことを繰り返す。⑤正課外活動プログラムの改善とその効果検証とモデル検討:①~④の成果と課題と連動させながら正課外活動プログラムの改善-実施-検証―改善を繰り返し、得られた知見から、新たな地域連携学習モデルを検討していく。
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