研究課題/領域番号 |
19K02864
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
|
研究機関 | 大阪成蹊大学 (2020-2022) 神戸大学 (2019) |
研究代表者 |
渡部 昭男 大阪成蹊大学, 教育学部, 教授 (20158611)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 教育への権利/高等教育への権利 / 経済的負担軽減・修学支援政策(国) / 子育て教育費支援施策(自治体) / 登録金半額化(韓国) / 漸進的無償化(日本) / 日韓比較研究/日韓韓日対話企画 / 「法規範⇒意思決定⇒制度・行財政=政策転換」仮説 / 「漸進的無償化プログラム」による見える化 / 高等教育への権利 / 法・制度・行財政の力動関係 / 少子化・人口減少と持続発展可能社会 / 漸進的教育無償化に係る日韓比較研究 / 日韓研究者からの論考寄稿 / 寄稿論考の日本語・韓国語版の公開 / 家族負担主義/高授業料・低補助の国からの転換 / 国会審議分析の継続 / 「現金給付+現物給付」という新たな構図 / 自治体の教育費支援施策 / 乳幼児期から思春期・青年期までの切れ目のない支援 / 給付型国家奨学金(韓国) / 学生負担学費半額化(韓国) / 大学入学金廃止(韓国) / 青年福祉施策(韓国) / 地方国公立大学優先的無償化論議(韓国) / 高等教育財源安定的確保論議(韓国) / 教育無償化・漸進的無償化論議の進展(日本) / 教育費支援情報に係る自治体広報(日本) / 学生が体感可能な負担軽減(韓国) / 高等教育の無償化(日本) / 大学等修学支援法(日本) / 国際人権A規約(社会権規約) / 漸進的無償化 / 後退禁止原則 / 具体的な措置義務 / 高等教育 / 日韓比較研究 / 経済的負担軽減 / 修学支援 / 法・制度・行財政 |
研究開始時の研究の概要 |
高等教育費負担を巡り、日韓はともに家族負担主義、高授業料・低補助の国に分類されてきたが、転換しつつある。両国は、共通した国際人権法(A規約13条:教育への権利、漸進的無償化義務)、類似した憲法(能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利)等を法規範として有する。独自開発した「漸進的無償化プログラム(高等教育版)2017」の枠組みを用いて、経済的負担軽減及び修学支援に係る制度・行財政(国家政策・地方施策)を把握し、その意思決定過程を分析する。その上で、日韓の政策転換の特徴(共通性・相違点)を明らかにするとともに、法規範を源泉とみる「法規範⇒意思決定⇒制度・行財政=政策転換」という「問い」を検証する。
|
研究成果の概要 |
高等教育において日韓は「高授業料・低補助」の国に類別されてきたが、ともに2012年を画期に変化しつつある。その過程を、憲法の教育を受ける権利・基本法の教育の機会均等・条約の漸進的無償化といった法規範が源泉となって「法規範⇒意思決定⇒制度・行財政⇒政策転換」仮説で読み解いた。登録金半額化の2012年大統領選挙公約(韓国)、高等教育無償化の2017年総選挙公約(日本)は、いずれも政権トップによる意思決定に見えた。しかし、韓国では1980年代以来の教育民主化勢力による運動展開、日本でもコロナ禍における学生当事者の世論形成が背後にあって、法規範に立った経済的負担軽減や緊急支援策が打たれたのである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
教育無償化を漸進的に進めるにはトータルな枠組みに立った計画の立案・策定が必要である。独自開発した「漸進的無償化プログラム(高等教育版)2017」は、縦軸に「A学費、B奨学金・学生ローン等、C修学(学習)支援、D就労支援・生活保障」を、横軸に「国、都道府県、市町村、学校法人・大学法人、民間」を設けている。それを今回は、高校教育段階を含めた自治体施策の見える化(鳥取県・滋賀県・大阪府)、コロナ禍の緊急支援策を含む日韓動向の見える化に用いた。見える化によって比較検討が容易になり、政策・施策・事業の展開や過不足、特徴や課題の把握が進むツールとして、有効かつ意義のあることが示唆された。
|