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イタリアにおける高等教育のガバナンス改革――日本での改革との対比で躓きの石を探る

研究課題

研究課題/領域番号 19K02869
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09050:高等教育学関連
研究機関東日本国際大学

研究代表者

関沢 和泉  東日本国際大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (90634262)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
キーワード教育改革 / 大学改革 / ガバナンス / ニュー・パブリック・マネジメント / NPM / 高等教育論 / 高等教育開発 / イタリア / アジャイル / ニューパブリックマネージメント / 認証評価 / 高等教育 / ガバナンス改革 / FD / 国際比較
研究開始時の研究の概要

日本の大学をはじめとした高等教育の改革において、組織ガバナンスの改革が課題とされています。そのために英米やドイツ、フランスの事例が先進事例として参照されるのですが、イタリアの事例が言及されることはあまりありません。しかし、イタリアは、主要な設置形態等で違いはありますが、英米モデルを参照しつつ実施された1994年からの各大学への評価制度導入を伴う権限委譲、2010年から学長権限強化、そしてその後の困難というプロセスが日本と類似しています。そこで一連の流れを構造的に分析することで、日本での改革において、同じ困難に陥らないようにするための条件を見出します。

研究実績の概要

本研究は「大学改革」について、日本と状況が一部類似するイタリア――異なった伝統を有する英米圏の改革をモデルとし「大学改革」を進める――の状況を調査し、日本の状況と対比することで、日本の今後について何らかの視座を得ることを目的として行ってきたものである。
本年度は、一方で認証評価におけるように、システム化を進めることで負荷の軽減を図ることも実現しているイタリアの状況について、伝統的システムとマネジメントの対比として行われている一連の分析について、さらに資料を増やして確認することができた。
他方で、そうした一連の改革の位置づけを考えるために、ここでの「マネジメント」において実質的に意図されている、イタリアの大学改革の分析において鍵概念とされる、「ニューパブリックマネジメント」が高等教育に与えた影響について、やや広い観点から分析を進めた。具体的には、このNPMの導入が単にガバナンスの変更といったことにとどまらず、このNPM(あるいは新自由主義)の枠組みが導入されることで、そこで活動する各個人(教職員)が直接かかわる、個々の教育現場のようなミクロな場面においてもどのような影響があったかを分析する一連の文献を調査することができ、それらにおいて、NPMの導入が高等教育自体の価値をどう考えるかといった「倫理(学)」上の課題へと繋がるものとして理解されていることが明らかになった。そうしたなかで、大学のアカウンタビリティやUSRといった概念について、一部で伝統を引き継ぎつつあたらしい練り直しが行われていることも示せた。
加えて、近年一部で話題となっているアジャイル型の公共セクターへの適用に関連して、大学の伝統的なありかたに、それがより近いとされている議論についても調査し、公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は採択期間が新型コロナウイルス感染拡大の時期と重なり、イタリアと連携した調査(現地調査)に関連する部分での遅れが生じていた。その後、オンラインでの連携等を用いることで一定程度遅れを取り戻したが、イタリア側においても同期間中に従来とは違った活動が続き、またDXの必要の再認識からのDX推進など、日本と類似した、それまでとは方向が異なる展開もあり、現在地から振り返ってイタリアの大学改革を追跡するというアプローチにおいては、その組み換えが必要となり、対応を行ってきた。
他方で、イタリアの大学改革の分析において鍵概念として使われるニューパブリックマネジメントについては、その高等教育全体への影響について、研究を進めることができ、実践にもつながる知見を得ることができた。
これらのことから総合的に判断し、やや遅れている、とした。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染拡大後に、やはりイタリアでもDX推進ということが一つの主題となっており、それがこれまで進められてきた(イタリアにおける)大学改革とどのように接続されているかいないかの確認は、日本における大学改革の分析にとっても有益だと考えられる。
また、昨年度若干の準備に終わったイタリアにおける芸術関係の大学評価という特殊な要素について、成果として共有できるように仕上げることを目指したい。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて 2024 2023 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 高等教育の内部質保証においてアジャイル型開発はどのように実装され得るのか2023

    • 著者名/発表者名
      関沢 和泉
    • 雑誌名

      大学情報・機関調査研究集会 論文集

      巻: 12 号: 0 ページ: 104-109

    • DOI

      10.50956/mjir.12.0_104_1

    • ISSN
      2436-3014, 2436-3065
    • 年月日
      2023-11-19
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 持続可能な大学のDXのために――大学はアジャイルが許される組織となることができるか――2023

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 雑誌名

      教育学術新聞

      巻: 2912 ページ: 3-3

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] イタリアの評価機関ANVURによる認証評価概観2021

    • 著者名/発表者名
      関沢 和泉
    • 雑誌名

      大学情報・機関調査研究集会 論文集

      巻: 10 号: 0 ページ: 140-145

    • DOI

      10.50956/mjir.10.0_140_28

    • NAID

      130008136966

    • ISSN
      2436-3014, 2436-3065
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 《教える》のイメージを拡げるために――中世の大学の周辺に――2021

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 雑誌名

      主体的学び

      巻: 7 ページ: 136-146

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 準正課/正課外活動をどのように質保証サイクルへと統合するか2020

    • 著者名/発表者名
      金木宏心、関沢和泉
    • 雑誌名

      第9回 大学情報・機関調査研究集会 論文集

      巻: 9 ページ: 56-61

    • NAID

      130008136957

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] フランスにおけるFD現況報告――新任教員の教育能力開発研修を制度化2019

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 雑誌名

      教育学術新聞

      巻: 2783 ページ: 3-3

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 高等教育の内部質保証においてアジャイル型開発はどのように実装され得るのか2023

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      第12回 大学情報・機関調査研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高等教育の倫理(開発)を考える2023

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      四国地区大学教職員能力開発ネットワーク SPODフォーラム2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] DX(デジタルトランスフォーメーション)は内部質保証に寄与するか2023

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      学修成果の可視化の取組を通して、 大学はどう変わるのか――欧州ボローニャ・プロセスの実質化を目指すTuningの取組 から学ぶ
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] イタリアの評価機関ANVURによる認証評価概観2021

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      第10回 大学情報・機関調査研究集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] How to Implement Generic Skills Development Programmes into our Curricula2021

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      HEPA (HIGHER EDUCATION PLANNING IN ASIA ASSOCIATION) Forum 2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ICEモデルを使う「改善の余地はどこにある?」――東日本国際大学の経験から2021

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      高等教育国際シンポジウム「ウィズコロナ時代に高等教育は何を保証するのか」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 認証評価第 3 サイクルにむけた「内部質保証」について2021

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      2020年度 横浜商科大学 内部質保証セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 準正課/正課外活動をどのように質保証サイクルへと統合するか2020

    • 著者名/発表者名
      金木宏心、関沢和泉
    • 学会等名
      大学情報・機関調査研究会 MJIR
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 大学教育の質保証――DPを授業にどう埋め込み、初期状態を可視化するか――2020

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      横浜商科大学FD/IRセミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 何を《はかる》か――質保証の鍵2019

    • 著者名/発表者名
      関沢和泉
    • 学会等名
      高等教育改革と卒業時の質保証
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 大学における教育倫理の原則と実践(高等教育開発叢書3)2024

    • 著者名/発表者名
      中井俊樹, 関沢和泉, 上月翔太
    • 総ページ数
      50
    • 出版者
      日本高等教育開発協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 世界哲学史32020

    • 著者名/発表者名
      伊藤 邦武
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      9784480072931
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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