研究課題/領域番号 |
19K02870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
杉原 真晃 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (30379028)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | サービス・ラーニング / パートナーシップ / 喜び / 学習意欲の向上 / 新たなプログラムの生成 / 地域団体の疲弊の防止 / 遠隔 / 肯定的側面 / 相手の立場 / 多様な価値観 / 想像 / 探索 / 取り残された社会的ニーズ / オンライン / サービスラーニング / 市民的教養 / 市民的関与 / 市民参加に関するVALUEルーブリック / 教養教育 / 教授・学習理論 / 高等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、教養教育におけるサービス・ラーニングの実践研究を通して、①地域社会という学外要件を含み入れたサービス・ラーニングならではの学習共同体の意義と構造を明らかにするとともに、深い学びに関する学習理論を参照しつつ、②学生自身による市民的教養の涵養、多様な学問領域の関連づけ、初等・中等教育と高等教育との関連づけを実現するサービス・ラーニング・プログラムを開発し、③教養教育カリキュラムにおける有効な位置づけを探ることを目的とする。 本研究により、教養教育の理論的発展、学生の深い学びの実現、ウェル・ビーイングを追求する社会を創る主体の形成等の成果が期待される。
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研究実績の概要 |
本年度では、サービス・ラーニングにかかわる構成員の関係性に着目した。SOFARモデルを活用し、サービス・ラーニングを通して各構成員間の関係性がどのように変容したのかについて分析を進めた。その結果、以下のような変容が見られた。 ①学生が地域にて活動することで、地域団体および地域住民が喜んでくださる。②地域団体や地域住民が喜んでくださることが、学生(および大学教員)の喜び・学習意欲向上につながる(学びの深まりのステップ)。③活動を通して「地域住民と地域団体」「地域住民と学生」「地域団体と学生」の関係性が深まっていく。④あるプログラムにて良いパートナーシップが形成されていくと、その情報が伝播して異なる地域団体に届き、新たなパートナーシップとプログラムが生成される。⑤新たな地域のニーズに適合し、リソースとしての学生・大学教員が加わるため、「地域団体の疲弊」を避けることができる。 そして、このような変容プロセスにおいて、単なる相互でのコミュニケーションをとる関係から、相乗的・変容的関係に深まっていく様子も見られた。 一方、次のような課題が発生することもわかった。 ①新たな地域のニーズに応えるための学生や教員の発掘が必要。②さらには、「教員的な存在」「熟達者・支援者」としての先輩学生(過去に同じプログラムを受講した学生等)がいると学生間の自律的学習活動が成立していく。③「大学職員・管理職」ともパートナーシップが形成され、大学が組織として対応できると、プログラムの持続可能性が高まる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にあり、サービス・ラーニングのプログラムがスムーズに展開できなかった。地域団体および地域の方々との接触にも限界があり、限定的な知見のみが得られることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染症法上の位置づけが「5類」に変更される2023年度に、さらなるデータ収集と分析を進める。 また、これまで収集したデータと比較しながら、その共通点・相違点を見出し、ICTを活用したオンラインでの学習を混ぜ込んだブレンディッド・ラーニングがニューノーマルとなる今後の教育現場にとって、より有用な知見を析出する。
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