研究課題/領域番号 |
19K02899
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
須長 一幸 福岡大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10419955)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アクティブ・ラーニング / スタディ・スキル / 否定的能力 / 発問能力 / 開いた理解 / オルタナティブ / 目標構想能力 / 対話 / 論理的思考 / 質問 / 問い / アクティブラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「問いを立てる」能力の解明とその育成方法の開発を目指すものである。「問いを立てる」能力は思考力の中核をなす重要な能力であり、アクティブ・ラーニングの推進という観点に照らしてもその能力開発の必要性は今後より高まると考えられる。しかしながら、「問いを立てる」能力の育成に関する知見の蓄積はその重要性に比して決して十分ではなく、大学での初年次教育等における発問力の向上に向けた教育もほぼ未開拓に近い。これらは、「問いを立てる」プロセス自体が持つ固有の困難に起因している。本研究では、「問いを立てる」メカニズムやその能力育成がはらむ困難を哲学的に解明し、「問いを立てる」能力の育成方法を開発する。
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研究実績の概要 |
今年度は、「発問能力の段階的育成に向けた教育法の開発研究」に関して主に二点の進捗があった。これまでの研究では、発問能力の中核に「目標構想能力」を位置付けたが、この能力には、第1段階となる「そこにない何か(=オルタナティブ)をイメージする」という要素(なんらかの問いを生み出す契機となる部分)、第2段階となる「何をイメージすればよい問いが生み出されるのか」を吟味する要素(さまざまな潜在的問いを「よい問い」へと向上させる部分)があることを明らかにした。 今年度の進捗の一つ目は、まず昨年度までに学会発表を通じて検討してきた第1段階の契機的部分の育成に向けた教育法の開発結果を論文としてまとめたことである(「「問い」を立てる能力をいかにして開発するか ―高等教育における発問能力の育成に向けた予備的・哲学的考察2―」『福岡大学人文論叢』第55巻4号)。 進捗のもう二つ目は、第2段階の育成の開発のための条件整理を行い、これを学会発表において報告したことである(「「問い」を立てる能力をいかにして洗練するか」大学教育学会第45回大会発表)。ここでは、知識獲得の段階において、発問につながるような学びの形態(=「開いた理解」を促す学び)が存在することを指摘し、そうした形態の学びの実現に向けた考察を行った。 以上を踏まえて、第1段階、第2段階を通じた発問能力の開発に関する総合的なまとめを行うことが、本研究の最終的な課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は比較的順調に研究が進行しており、成果も得られているが、当初予定していた、発問能力育成法の第2段階の開発には至らず、そのための条件整理に留まったため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、これまでに実施してきた本研究の柱である「発問能力に関する哲学的研究」と、「発問能力の育成のための初年次教育のコンテンツ開発」を継続して実施するが、特にコンテンツ開発については、これまで学内の正課のプログラムの中で開発・実施してきた初年次学生向けのワークの教材化を目指す.
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