研究課題/領域番号 |
19K02907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00590358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 特別支援教育 / 自尊感情 / 教科指導プログラム / 健康障害児 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,学習に困難を有する健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムを開発することである。そのために,健康障害児に対する個別指導形式による教科指導を定期的に行い,研究期間中に次の3点を明らかにする。 (1)健康障害児の認知特性の評価方法と学習内容の習得を促す指導方法 (2)教科指導が健康障害児の自尊感情に及ぼす影響 (3)健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの作成手続きとプログラムの効果 本研究の意義は,自尊感情を支える支援の観点として教科指導に注目することの根拠と,特別支援教育における教科指導の観点として,健康障害児の認知特性に注目することの重要性を提案できる点にある。
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研究成果の概要 |
本研究では,健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの開発を目的として,通院を要する学齢児8名に対する教科指導を行い,以下3点の示唆を得た。第1に,健康障害児の教科指導にあたっては,認知諸機能の評価とその状態に応じた学習支援が必要である。第2に,健康障害児の多くは自分自身の学業能力と行動の適切性を重視している。一方で,これらの領域が自尊感情に及ぼす影響については個人差がある。第3に,学習の開始と継続を促す遂行支援を伴う教科指導は,健康障害児の自尊感情の維持・向上に寄与する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,次の4点において学術的・社会的な意義を有している。第1に,学校教育の中心的活動である教科指導は,健康障害児の自尊感情の育成に寄与し得ることを示した。第2に,健康障害児に対する教科指導上の配慮点として,教育機会の保障にとどまらず,認知機能の評価とその状態に応じた学習支援の必要性を示した。第3に,健康障害児の事例的な分析に基づいて,自尊感情の変動要因には個人差があることを示した。第4に,定型発達児や他の障害児を通じて得られた知見は,健康障害児の教科指導や学習支援に役立つ可能性を示した。
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