研究課題/領域番号 |
19K02908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉川 一義 金沢大学, 学校教育系, 教授 (90345645)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | インクルーシブ教育 / 通常教育 / 要支援児支援 / 学級経営 / 不当な自己評価 / 自己効力感の低下 / 活動性低下 / 事実判断と価値判断 / 要支援児 / 学級集団 / 自己評価 / 自己承認の低下 / ASD / 自尊感情 / 重要度評価 / コンピテンス評価 / 価値判断 / 事実判断 / 具体的対処方略 / 進行性筋ジストロフィー / 小学4年生(10歳) / 自己認識 / 承認観点の変化 / 学級集団分析(Q-U) / 児童の学級生活の充実度 / 要支援児童 / 個別生 / 自己評価と自己の承認 / 自他理解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は通常学級における要支援児童への支援を学級経営として実施するモデルの構築を目指す。重視するのは、特別なニーズのある児童(要支援児)とそれ以外の児童の相互交流を促す学級経営であり、その原型を当事者の個別性(個別に抱く意味の違い)の観点から構築する。要支援児とは、障害に限らず学業不振や対人関係の問題等、心理社会的要因に由来して「生きにくさ」を抱え、活動性低下に陥っている児童である。彼らの生きにくさは、他児との関わりから生じて自己評価を下げ、この状態が放置されれば自己効力感の低下を招いて活動性低下を来し、生活不活発病へと進む。この悪循環の防止と脱却を図るための学級経営モデルを構築する。
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研究成果の概要 |
要支援児は、他者と比較して自己能力を不当に低く評価し、効力感低下を招いて活動性が全般に低下した。要支援児には没頭できる活動により発揮された能力から適正に自己評価する機会が有効であった。小学1年から3年生までは過去の自分と比較して能力の伸長を根拠に自己を肯定的に評価し、承認していた。一方、4年から6年生は、他者との比較により自己評価・承認は低下した。自己評価や承認が低下した児童の特徴には、事実判断に先行して価値判断を行う傾向があり、行動改善に至る思考過程を阻害した。適正な自己評価・承認を得るために事実判断と価値判断を分けて思考する方法を学ばせること等、学年進行に伴う学級経営の要点が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は通常教育のあり方を特別支援教育の見地から再評価し、インクルーシブ教育の体系化を目指す。重視するのは、特別なニーズのある児童とそれ以外の児童の相互交流を促す学級経営であり、原型を当事者の個別性の観点から構築する。要支援児は、障害、学業不振や対人関係トラブル等、心理社会的要因から活動性低下に陥る。放置されれば生活不活発病へと進む。この問題に対して特別支援教育の知見は、要支援児の生きにくさを発見・同定した支援に寄与し得る。他方、特別支援教育は個人に焦点をあて集団での支援が不足している。これより、本研究は学級経営モデルの構築を通して、上記観点から特別支援教育の知見を補完するものでもある。
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