研究課題/領域番号 |
19K02910
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
田中 優司 愛知教育大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70377654)
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研究分担者 |
田中 生雅 愛知教育大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10262776)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 救命講習 / 心肺蘇生法 / 障害のある児童生徒 / 特別支援学校 / AED / 救急救命講習 / 障害者 / 社会参加 / 教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
今日、障害者の社会参加は重要なテーマである。責任のある社会人として「命を救う」ことも含まれ、そのための社会参加の機会が希求される。しかし障害者のための救急救命講習の教育法は学術的に体系立てられた取り組みが乏しい。障害者のための効果的な救急救命講習法とは何かという問いを考え、プログラムを開発することを着想した。本研究では、①全国の学校における救急救命講習の取り組みの調査、②先進事例の二次調査、③障害者のための救急救命講習プログラムの開発、④プログラムの実証研究、の4つのステップを経て、プログラムを提案する。本研究は障害の有無にかかわらず安心して暮らせる共生社会の実現に資するものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は障害者にとって効果的な救急救命講習の教育とは何かを明らかにして、障害者のための救急救命講習プログラムを開発することである。今年度は引き続き障害者向けの救急救命法の教育の取り組みの経験知の集約を目的に、全国の特別支援学校における救急救命講習の教育の取り組みについての調査をすすめた。 全国の特別支援学校で実施されている障害のある児童・生徒向けの救急救命法の教育の取り組みについて質問紙調査を実施し児童生徒向け講習に関する自由記述について定量テキスト分析を施行した。救急救命講習の意義として、命を守る方法や大切さを学ぶ、緊急対応の知識を身につける、実際の場面を想定して講習を行う、心肺蘇生法とAEDを体験する、周りの人に助けを伝えるなど、障害のある児童生徒に対する救命講習にあたり、理念や基本的な目標を明確にして、体系立てたプログラムが必要と考えられた。さらに障害のある方にとってのAEDに関する自由記述について定量テキスト分析を施行した。AEDの機器に対しては、聴覚障害のある方には文字による表示で情報を指示すること、音声ガイドの手順だけではなくボタン操作などを視覚で分かるようにすることなどのユニバーサルデザイン化が望まれていた。さらにAEDを含めた実習の在り方についても、講習の前に事前学習をすすめておくこと、実際の校内のAED設置場所を説明し実際の場面を想定することなどの解析結果が得られ、体系立てたプログラムが必要と考えられた。 今回の調査により障害者にとって効果的な救急救命講習の教育の要諦が明らかになった。今後はこれまでの研究のまとめをすすめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では全国の特別支援学校における救急救命講習の教育の取り組みの調査を実施する予定であり、これは現在、計画通りに進行した。次にこの調査を通じて先進的な取り組みを行っている特別支援学校の教育の取り組みを抽出し、二次調査として実地調査をする方針であった。しかしながら2020年初頭から全国で流行している新型コロナウイルスへの感染対策のため、救急救命講習自体が開催されなくなったこと、また特別支援学校への訪問ができなくなっている状況から、実施が困難となった。そのため調査の記述テキストから計量テキスト分析を行い、重要点を抽出する研究調査をすすめた。この結果を基に当初の研究目標を達成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスへの感染対策のため、救急救命講習自体が開催されなくなったこと、また特別支援学校への訪問ができなくなっている状況から、当初の計画の実施が困難になっている。そのため調査の記述テキストから計量テキスト分析を行い、重要点を抽出する研究調査をすすめた。この結果を基に経験知の集約から、障害者にとって効果的な救急救命講習の教育が明らかにして障害者のための救急救命講習プログラムを開発することが可能となり、当初の研究目標を達成する予定である。
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