研究課題/領域番号 |
19K02936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
櫻井 未央 杏林大学, 保健学部, 講師 (10807829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 発達障害 / 養育者 / 障害意識 / 障害受容 / 親 / 発達障碍 / 障碍受容 / 子育て支援 |
研究開始時の研究の概要 |
近年発達障碍児への療育的支援は、広く整備され社会に浸透している。しかしながら実際の養育者の多くは、我が子が他の子どもたちと違うということに戸惑い、葛藤し、自責の念にかられて、自分の子どもに一体なにが必要なのか、将来はどのようになるのか不安を強めている。本研究は、他の障碍をもつ養育者との比較検討から、発達障碍をもつ子どもの養育者の声をひろい、発達障碍のどういった特性が養育者の受容の困難さや葛藤を拡大させているか、また支援につなげる以前の惑いや逡巡をどのように支えられるかを明らかにする。この目的を達成することで、療育的支援に養育者をスムーズにつなげる心理支援法を開発する一助とすることを目指す。
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研究成果の概要 |
予備調査からは「障害」概念に付随するスティグマやネガティビティを養育者側も支援者側も注視していく必要があることが明らかになった。これに基づきインタビューを行った。結果,障害理解を困難にさせる要因として「母という役割の呪縛」「子に“ふつう”を求める」といったカテゴリーが抽出できた。また、それらに対して「母役割から一歩離れる」「自分の“ふつう”を改変する」といった、より個人のスティグマに触れていくことが支えとなっていたことが明らかとなった。以上から,障害理解促進や母親同士のピア関係による支えよりも、個々人が内にある障害をのりこえるための心理的支援、よりパーソナルな支援が必要であることが考察できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの親への支援では、子ども自身の特性理解のためのペアレントトレーニングや心理教育的支援、親同士のピアサポートの重要性を挙げる研究が多かった。 しかし本研究により、障害理解を促進することや、母親同士のピア関係による支えというよりも、個々人としてのその人が支えられる心理的支援、母役割を超えたパーソナルな支援が必要であることが分かった。一般的に現代の母親が対人緊張の高い状態にあり、ピアサポートにも安心安全を感じられていないことも重要であった。より個々の状況に応じた障害特性理解に対応していく、心理的支援が求められていると明らかにできた。
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