研究課題/領域番号 |
19K02950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮寺 千恵 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90436262)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 自尊感情 / 注意欠如・多動症 / 神経発達症 / ADHD / 学業成績 / 学齢期 / 不注意 / 多動性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、不注意や多動性の高い子どもたちの自尊感情に関連する要因を明らかにすることを目的として、文献による検討、質問紙調査による経年的変化の検討、支援のあり方に関する心理課題を用いた検討を行う。小学生から高校生までの学齢期の子どもたちに焦点を当て、学業面の特徴と自尊感情についてタイプ別に明らかにするとともに、学業不振の子どもたちに対する支援のあり方についてタイプに応じた支援方法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、子どもたちの注意欠如・多動症(ADHD)の傾向と自尊感情の関連について、学校での出来事や学業成績、抑うつ症状、周囲の人からのサポート知覚等を踏まえて検討することである。具体的な方法としては、保護者には子どものADHD症状と学業成績を質問紙によって尋ねた。また、子どもたちには学校での出来事に対してそれがネガティブな経験であったかどうか、抑うつ症状の程度、周囲の人からどの程度サポートを受けていると感じているかを質問紙で尋ねた。 当該年度では、これまでに実施した質問紙調査で得られたデータを分析し、以下の3本の論文にまとめた(すべて、現在査読中である)。 1)神経発達症と定型発達の子どもたちの自尊感情の特性:学業成績の影響について、神経発達症群とコントロール群として分析した結果、神経発達症の子どもたちは自尊感情が低かった。しかしながら、各群で学業成績を統一してグループ分けをしたところ、自尊感情に違いがみられなかった。各グループの人数が少ないものの、学業成績が自尊感情に及ぼす影響があるものと考えられた。 2)定型発達小学生の自尊感情の性差:上記の質問項目を用いて定型発達の子どもたちの性差による検討を行った。その結果、男女ともに、学業成績が学業に関する自尊感情に影響が強いことが示された。 3)神経発達症と定型発達の小学生の自尊感情とソーシャルサポート知覚:自尊感情とソーシャルサポート知覚について、ADHD症状と抑うつ症状を踏まえて検討した。その結果、神経発達症群は抑うつ症状が高いほど自尊感情が低いことやサポート知覚が低いことを示した。また、定型発達群では、女児においてのみ抑うつ症状の程度がサポート知覚に影響を及ぼした。 以上の結果から、子どもたちのADHD症状の程度や学業成績、抑うつ症状が自尊感情に及ぼす影響について一定程度の知見が得られたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問紙調査を終え、データ分析を行い、論文にまとめることができたため順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は審査中の論文の進展次第であるが、審査により変更や修正を求められた場合は慎重にそして適宜対応を行う。注意欠如・多動症の傾向が自尊感情に影響を与えることの可能性について整理し、その要因について文献や調査の結果を踏まえて精査していくことを考えている。
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