研究課題/領域番号 |
19K02952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉村 優子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70597070)
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研究分担者 |
田中 早苗 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80811372)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 聴覚誘発磁場 / 読み書き能力 / 聴覚誘発反応(P1m) / 脳磁図 / 縦断調査 / 自閉スぺクトラム症 / 脳磁計 / 聴覚反応 / 音韻処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自閉スペクトラム症児を対象に就学前から就学後の追跡的調査を実施し、早期の聴覚情報の中枢処理である生理学的データが同児の学齢期の認知機能や読み書き能力を予測する指標になりうるかどうかを検討する。対象児の就学前に小児用脳磁図(MEG)を用いて計測した、音韻によって引き起こされる脳反応と、学齢期の認知機能、読み書き能力の関係を調べる。また、保護者への聞き取り調査によって、医療、福祉、教育面の支援の有無、その内容及び期間等について聴取し、環境的要因と学齢期の認知特性や読み書き能力、行動や情緒面の関連を分析する。以上により、自閉スペクトラム症の個々の特性に応じた効果的な支援法について検討する。
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研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症児を対象に就学前から就学後の追跡的調査を実施することにより、早期の聴覚情報の中枢処理である生理学的データが同児の学齢期の認知機能や読み書き能力を予測する指標になりうるかどうかについて調査を行った。20名(男児15名、女児5名)を対象に、就学前の人の声に対する脳反応(P1m)と就学以降の読み書き能力との関係を調べたところ、左半球のP1mの潜時と読み評価点の間に有意な負の相関が示された。P1mの振幅及び右半球のいずれの指標においても有意な関係は認められなかった。読み困難を伴うASD児では、幼児期の段階において、音韻処理にかかわる脳領域の発達の未熟さがあると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、自閉スペクトラム症(ASD)の児童における早期聴覚情報処理の能力が学齢期の読み書き能力を予測する生物学的指標であることを示唆している。特に、聴覚誘発反応の潜時の速さが、後の読み能力と強く関連することから、ASD児の支援において音声や音韻に興味関心を持たせ、その処理機構にアプローチするような、個別化された教育プログラムの開発に貢献する可能性がある。
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