研究課題/領域番号 |
19K02953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
高野 美由紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70295666)
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研究分担者 |
有働 眞理子 兵庫教育大学, その他部局等, 名誉教授 (40183751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 英語教育 / 英国での言語指導 / 知的障害 / 特別支援学校 / 特別支援学級 / ストーリーテリング / 通常学級 / 外国語活動 / 学びの連続性 / 評価 / 指導体制 |
研究開始時の研究の概要 |
次期の特別支援学校学習指導要領では、知的障害児の英語教育でも学びの連続性が求められている。しかし一方で、知的障害児が英語を学ぶ目的や意義が共通理解されていない。 教育的ニーズが多様な知的障害児の「連続性」ある英語教育の教育課程を考えるため、知的障害児の英語教育における目標、実践事例、意義を押さえたうえで、英国での言語療法の状況等を参考にして、知的障害児の英語教育のための1)指導のモデル、2)評価モデルを開発し、3)教師トレーニング体制を提案する。
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研究実績の概要 |
コロナ禍で延期していた英国での言語指導の調査を行った。事例としては、シックス・フォーム(16歳から18歳の2年間の課程)での言語障害のある生徒への指導、および特別支援学校での重度重複のある生徒への授業において、スピーチ・セラピストが行う指導などがあげられる。シックス・フォームの授業では、居心地のよい・話しやすい環境を作り、ナチュラルなアプローチでナラティブの指導を行っていた。特に、語彙学習を盛り込みながら、興味関心のありそうな話題があがると機を逃さずに生徒の語りを引き出し、語る意欲の高いところで指導を行っていたことが印象的であった。特別支援学校では、音楽療法士とともに歌や小道具を用いたストーリーテリングを行っていた。学ぶキーワードを設定し、一定期間同じストーリーを繰り返し用い、ひとりずつに抑揚をつけた語り掛けやジェスチャー、タッチング等マルチセンソリーな語りで反応を引き出し、また微細な反応も逃さず応じていた。授業終了後に、スピーチ・セラピストと音楽療法士が子供の様子についてふりかえり、個別の計画ごとに詳細な評価を行っていた。 特別支援学校(知的障害)高等部での英語の授業を視察した。継続的に英語の授業を行うことで、生徒が英語に親しんでいた。 その他、小学校特別支援学級(知的障害)児童の調査、小学校での英語の授業での児童の困難についての調査に関して、集計結果をさらに分析し学会発表した。また、小学校通常学級の外国語活動・外国語教育にてストーリーテリングを行った事例や英語でのマルチセンソリー・ストーリーテリングがもたらしうる効果について論じた章を含んだ著書を発行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
知的障害を対象とする英語の授業の実践を視察できたが、もう少し事例を増やす必要がある。また、知的障害のある中学生等への英語教育についての調査が未着手である。
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今後の研究の推進方策 |
知的障害の児童生徒に対する英語教育の実践現場の視察や質問紙により、知的障害のある児童生徒への外国語教育について評価を含む実態調査、特に、特別支援学校中学部や学習指導要領改訂から4年を経過する小学生への英語教育の実情の変化についての調査を行いたい。また、英国の言語指導を参照して、ストーリーテリングを用いた英語教育について萌芽的な実践をしていきたい。
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