研究課題/領域番号 |
19K02993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 九州工業大学 (2020-2023) 有明工業高等専門学校 (2019) |
研究代表者 |
堀田 源治 九州工業大学, 大学院工学研究院, 支援研究員 (30510565)
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研究分担者 |
坂本 英俊 同志社大学, 理工学部, 教授 (10153917)
石川 洋平 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50435476)
宗澤 良臣 広島工業大学, 工学部, 教授 (70274008)
桐山 聰 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 准教授 (70423423)
堀田 孝之 有明工業高等専門学校, 技術部, 技術長 (80450146)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 行動特性 / 非定常作業 / 積極性強度率 / 肯定性強度率 / 集団作業 / 作業モチベーションレベル / 危険性レベル / 相互影響レベル / 行動特性の3要素 / リスク予測特性 / リスク回避特性 / リスク伝達特性 / キャラクタの頻度分布 / 基本行動 / 行動特性試験機 / 安全教育 / 少集団 / 行動予測 |
研究開始時の研究の概要 |
学校災害の35%以上、労働災害の50%以上が不慮の事故が原因であり,その多くが3~7人程度の小集団活動中に発生している。不測の事態においては,小集団の行動は個人同様な意思決定に従う場合もあれば,群衆式のまとまらない状態になる場合もあり,予測が困難である.そこで学校や企業では小集団活動に対して安全対策の方向性が定まらず,有効な安全教育手法を策定できずにいる。本申請研究では,小集団の性格を数値として計測することで血液型のような数種の“型”に分類すると同時に,型と危険性(ミスや失敗のし易さ)の関係について調べ,危険な型の小集団にはその型に適した教育・訓練を施すことで安全教育の効果向上を図る.
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研究実績の概要 |
申請書に記載した研究目標である行動特性の測定について,一昨年度の研究成果を基に実験器の改造を行い,また被験者についても行動特性が測定し易い工業高等専門学校の学生を選んで実験を行いました。実験器については積極的な意識を把握する精度を上げるため,ラケットに設置する感圧センサの位置を手の平に確実に接触する位置に変更しております。この結果学生を被験者として実験によっても小集団の行動特性の把握は可能であることが分かりました。また,ラケットによる実験結果にはグループ各員の個性的な行動の他にも学年や親密性の特徴も現れていることから,今後個性と集団との関係についても分析が可能と考えられます。一昨年の実験結果と比べると社会人(技術職員)グループは安全・伝達性が優秀であり、学生グループは意欲旺盛であるが安全・伝達性に指導が必要であると判断できました。この結果は、社会人と学生の仕事の上での行動特性の違いを明らかにするものでもあることが確認できております。さらに今後の課題として実験により測定された行動特性と実際の行動結果および自覚する個性について検証する必要があることが分かりました。以上の結果については,日本設計工学会,日本材料学会において研究発表を行っております。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請書に記載した研究計画に従い,3行動要素毎に(測定値/理想値)×100〔%〕で(積極性の強度率x,肯定性の強度率y)を求め,行動要素のリスクのレベル値 (1~4)を決め,(モチベーションのレベル値,危険性のレベル値,相互影響のレベル値) という組合せ形式によって表2のように集団行動個性の型を表現すことと,作業テストを同じ被験者チームに対して条件を変えて実施し,集団行動個性の型の普遍性について把握できることを確認することができました。また,実験後のアンケートによって個人が集団の一員となった場合の行動個性の分析と,集団化による危険性についての解析ができることの確認まで行っております。研究計画上の項目については7割程度は達成できていると自己評価できる段階です。しかし,上記研究内容についてコロナウイルス感染予防策などの影響で被験者の動員が当初の計画の3割位しか実現できておらずサンプル数の不足から研究結果についての検証が十分できたとは言えない状況ではあります。また,申請書に記載した危険な行動特性を示したチームへの行動特性改善教育については未だ未着手であり(集団の構成員が長時間顔を近づけることは感染症予防の観点から実験実施大学等から許可が下りなかった),今後の研究に委ねられる状況です。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては,第一に今まで行った実験結果についての検証を行うため,被験者の数を増やして実験の追加データを採取する必要があります。また,申請書に記載のある実験項目に沿って①危険な傾向にある集団行動個性の型に属する被験者のグループに対して,それぞれの行動特性の型に合った項目によって教育・訓練を行うことと,②教育・訓練後に再び図1で条件を変えて作業を行わせ,教育後に危険性レベルが上位に移動する傾向があれば,教育効果があったと判断できることの検証を行う予定です。以上の実験の実験を確実にするために,これまで有明工業高等専門学校の学生だけを被験者として行っていた実験を広島工業大学,九州工業大学の学生にも対象を広げ,サンプル数の増加と実験の進行の活性化を図る所存です。
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