研究課題/領域番号 |
19K03009
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
稲垣 忠 東北学院大学, 文学部, 教授 (70364396)
|
研究分担者 |
後藤 康志 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40410261)
松本 章代 東北学院大学, 教養学部, 教授 (40413752)
豊田 充崇 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60346327)
泰山 裕 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90748899)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 探究 / 資質・能力 / 情報活用能力 / カリキュラム・マネジメント / システム開発 / 教員研修 / カリキュラムマネジメント / 探究学習 / 教科書 / 情報教育 |
研究開始時の研究の概要 |
初等中等教育における探究学習を対象としたカリキュラム・マネジメントの支援ツールを開発する。特にカリキュラムに関する研究とそれを運用するためのシステム開発を連携させた上で、学校現場での実証を試みる学際的なアプローチを特色とする。探究スキルの明確化は、高等学校学習指導要領(文部科学省 2018)より新設される「総合的な探究の時間」「古典探究」「地理探究」「理数探究」等の探究に関連する科目において、共通の基盤となるスキルを示し、その育成を小学校段階から系統的に行う手法を提案できる。ウェブ上のシステムについては、探究スキルを中心とした情報活用能力のマネジメントを支援するツールとして提供する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は次の4点である。1) 探究プロセスにおいて必要とされる探究スキルの明確化、2)小学校から高等学校までの系統を各教科・領域、情報活用能力と関連づけて整理、3)ウェブ上のマネジメントツールの開発、4) 探究スキルの系統的な育成方法の明確化。2022年度は、目的1)および2)について、小中学校における各教科と情報活用能力と関連づけた整理を行った。また、小中学校教員を対象としたインタビュー調査から、開発した系統は一定の妥当性をもつことが確認された一方、教師の指導意図、授業観によって期待するレベルは上下し、カリキュラムとの整合性をとることが難しい場合があることが示唆された。目的3)については、開発したシステムを仙台市内の小中学校各1校に導入し、実際の運用とともに、教員研修プログラムを開発し、システムおよび実践の評価を行った。その結果、システムを用いた教員研修は肯定的に評価され、特に小学校では児童の実態や教育課程をデータに基づいて可視化できた点、中学校では教科横断で教育課程を考える必要性について理解が深まった等の成果を得た。目的4)については、小学校で独立教科として情報に関するカリキュラムを開発した学校との実証、総合的な学習の時間のキャリア教育と関連づけて育成を試みた実践の開発と実証を行った。また、全国の小中学校に対する情報活用能力の育成状況に関する調査からは、研修およびカリキュラムマネジメントの評価・改善に関する課題があることが示された。以上の成果から、本研究が目指すカリキュラムマネジメントシステムの開発は実用段階を迎えたと評価できる。しかし、年間を通じた実証の未実施、各学校での安定的な運用を支援する仕組みの整備等は課題である。また、カリキュラムマネジメントを実施することによる授業の変容を明らかにし、育成方法の検証を進めることも今後の課題である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要の通り、当初設定していた4つの目標それぞれについて一定程度の進捗をみることができた。 当初の計画以上の進捗、十分に対応できていない部分の両面がある状態である。 1および2に関しては、小中学校段階の精査とともに、インタビュー調査を通した実際のカリキュラム運用上の課題整理を行うことで、システムを運用していく上での新たな知見を得ることができた。しかしながら、高校段階については、教科書情報の収集とカリキュラムをシステム上で可視化する上での課題点の整理にとどまっている。 3に関してはシステムの実運用とあわせ、データの可視化手法についても新たな提案を追加したシステムとして構築が進捗しており、当初の計画以上の進捗を見せている。一方、より汎用性の高いシステムへと改善していく上で追加の開発範囲について検討が必要な段階である。 4については各地での研修の実施と特に小学校との実践開発を通して一定の知見を得ることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度はポストコロナの実証環境として、オンラインと対面の両方で学校現場への授業開発の助言、システムの運用に関するガイダンスを行っていく。特に高校段階のカリキュラム運営に関してはインタビュー調査を行い、システム上にカリキュラムを構築する際の課題点について明らかにする。システム開発に関しては、複数校において安定的な運用に耐えうるユーザインターフェース、データのマネジメントができるよう改良を行う。指導法については、各学校現場における実証・研修プログラムの実施を通して知見を整理する。 以上の内容に取り組み、本研究課題の最終年度として成果を整理・発表していくことを予定している。
|