研究課題/領域番号 |
19K03014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 高知学園短期大学 (2022) 松蔭大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
岸 康人 高知学園短期大学, その他部局等, 教授(移行) (50552999)
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研究分担者 |
立野 貴之 玉川大学, リベラルアーツ学部, 准教授 (50564001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | e-ラーニング / 教材開発 / CLIL / STEM教育 / eラーニング / 高等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
ネット動画の普及により、とくに海外においては、多くの専門分野の教育用動画が作成・公開され、インターネット上で誰もが視聴可能となっている。これらの多くは、英語で作成されており、日本の高等教育機関でそのまま利用することは学生の語学力の観点から容易ではない。本研究は、第二言語として英語を学んでいる学習者が、動画再生時に英語を翻訳することなく、内容理解を支援するシナリオを提供することを目的とする。シナリオは、字幕の補足資料及び再生速度の調整データから構成され、個人のスキルに応じ、自動的に生成されるものである。本課題では、これらを実現するシステムを構築し、学習者の理解度への効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、第二言語(主に英語)で作成された動画の内容について、翻訳を介することなく、学習者の理解を支援するフレームワークを確立することを目的としている。専門分野については、良質な教材を教員が作成することが容易ではないため、言語の枠を取り払うことにより、教材利用を拡大することができる。また、学習者の視聴履歴に基づき、理解が困難な箇所を特定することにより、学習を阻害している原因を解明し、個人のスキルに応じて理解を助けるための再生シナリオを自動的に導出するシステムを目指している。再生シナリオは、字幕を分析し、学習者のスキルや履歴に応じて、再生スピードを調整する機能や重要語彙とその理解を支援するためのアノテーションからなる。 字幕毎の難易度により再生スピードを自動的に調整する手法については、すでに実用的なモデルを開発しているが、重要語彙等のアノテーションを自動生成する機能について実験段階である。2019~20年度には、主に再生シナリオの仕様策定と再生シナリオで使用するための重要語彙の抽出について研究を行い、学会において発表を行った。2021年度には、動画字幕から重要語彙を抽出する機能について、既存の複数の手法を組み合わせ、学習者自身で調整できる手法について提案を行い、それらの情報を可視化するための手法を2022年度に開発・提案している。 諸般の事情から研究計画に遅れが出て、1年の研究期間延長しており、当初の手法を改良したシステムを実装し、検証のための利用者実験を実施することが2023年度の目標となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
次の理由から、当初の研究計画より遅れた進捗となっている; ①前任校において2019~2021年度に学科長及び学内情報管理研究所所長に任命され、当初予定していたものよりかなり多くの学内業務を担うこととなったこと②前任校において2020年度からの新型コロナ感染症対策に係る学内の教務委員としてのオンライン授業支援業務、2021年度から広報部長に任ぜられたことによる広報関連業務により、十分な研究時間が確保できなかったこと③字幕分析からキーワードを抽出するフェーズについての対応について、評価実装の変更に伴い、時間がかかってしまっていること④2022年から移った短期大学において、学科長の長期療養が生じ、とくに実習関連の業務負担が想定外に大きくなってしまい、研究に支障が出てしまったこと。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、2021年度までに再生シナリオを動画プレイヤーに統合実装し、その後利用実験を実施する予定であったが、進捗の遅れによって、字幕を分析するための自然言語処理の手法が発展しており、本研究の再生シナリオを構成する手法について、変更の必要が生じた。このため、語彙の抽出と可視化について、新たな方法の導入を検討しており、2023年度内にそれらを含んだ実装システムを構築し、当初計画していたよりも短い期間とはなるが、大学の講義での検証実験を行う予定である。
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