研究課題/領域番号 |
19K03049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
山地 弘起 独立行政法人大学入試センター, 独立行政法人大学入試センター, 教授 (10220360)
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研究分担者 |
保崎 則雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70221562)
三隅 友子 徳島大学, 国際センター, 教授 (20325244)
田中 東子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40339619)
谷 美奈 帝塚山大学, 全学教育開発センター, 教授 (60582129)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 大学生 / 体験学習 / 対人葛藤 / 葛藤調整 / 社会情動的学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大学生を対象として、対人葛藤の創造的調整を促進する介入モデルの開発とその効果検証を行う。具体的には次の3つの内容に取り組む。① 大学生がおもに学外での学習活動で体験するさまざまな対人葛藤をとりあげ、それらの創造的調整を促進する介入モデルを開発しワークショップに具体化する。② 介入モデルの改善を図りながら、その効果を初年次から4年次まで多面的・縦断的に検証する。③ 教職員向けのマニュアルやケースブックを制作し、社会情動的技能を高める大学教育改善に資する。以上を通して、日本ではまだ少ない大学教育での社会情動的学習プログラムの一形態を提案し、社会的寄与を果たすことを目指す。
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研究実績の概要 |
今日の多文化共生の課題に直面して、日本の対人関係文化にあっても必要があればより主張性を発揮し葛藤を創造的に調整する能力が求められている。本研究では、日本ではまだ少ない大学教育での社会情動的学習プログラムの一形態を提案するため、対人葛藤の創造的調整を促進する介入モデルの開発とその効果検証を試みている。最終年度である今年度は、以下の実践研究を行うとともに、研究成果を共有するために出版物の制作を行った。 まず、学生の対人関係にまつわるコンフリクトの性質を「コミュニケーション強迫」および「学校人格」として捉え「匿名性」を活用したキャリア・デザインの遠隔授業を実施したところ、「匿名性」の活用が「学生(当事者)のニーズ」に合致するという結果を得た。また、メディア制作でのグループ作業で、当初は個別制作を希望していた学生の多くが、授業後のインタビュー調査でグループ作業の良さ、意義にふれていた。主な理由は、自分だけのリフレクションでは気づけないことが、グループメンバーとの議論で気づかされ深まるからということであり、学習過程での対人的な葛藤や回避、妥協、合意形成等の重要性が体験的に理解されていた。 授業開発の面では、教職科目の一部において、対人関係専門職としての教員が学校生活や生徒間関係における主体性をいかに育成あるいは回復しうるかを扱い、対人葛藤や紛争におけるマインドフルネスの機能の体験学習を含めた。また、多くの場合無自覚になされるマイクロアグレッションに対する効果的な対応のあり方について検討した。さらに、演劇的手法を使ったコミュニケーション教育を大学内での留学生・日本人学生対象の授業、および地域の様々な組織(教育・医療・自治体等)において提供した。それらの実践から、他者との身体的表現による相互交渉が自分の心と身体を意識化する体験につながり、他者との新たな関わりを築く可能性が示唆された。
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