研究課題/領域番号 |
19K03052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
井上 正之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90553941)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 情報アクセシビリティ / 電話リレーサービス / 聴覚障害者 / アクセシビリティ / リテラシー / リテラシー育成 |
研究開始時の研究の概要 |
聴覚障害者が一般の電話ユーザと通信することを可能とする電話リレーサービスは,日本においても徐々に認知が進み,2017年度に初めて厚生労働省により予算化されるなど,将来的には米国・欧州などのように公共サービスとして提供されることが見込まれる。しかし,聴覚障害者は電話という通信サービスに関しては「文盲」といってよい状態にあると考えられ,「電話リテラシー」,すなわち電話リレーサービスを通じて電話を十分に使いこなしていく能力の育成が必要である。本研究では,聴覚障害者の電話リテラシーを育成していくための教育プログラムを構築していくことを目指す。
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研究実績の概要 |
公的電話リレーサービスの実施に係る法律が2020年6月に成立し、2021年7月から正式に公的電話リレーサービスが実施された。その結果、24時間365日のサービス実施・きこえるユーザからの発信・緊急通報などが新たに可能になった。その結果,多くの利用事例の蓄積が行われるようになり,そこから聴覚障害児の電話リテラシー向上のために必要と思われる項目の検証と再整理を行い,聴覚障害者の電話リテラシーに関する現状把握を行い、特にサービスの用途(どのようなときにサービスを利用すべきか)・利用上のマナーなどの重要性を確認した。 こうして得られた知見をもとに、電話リテラシー育成・向上プログラムの検討をさらに進め,聴覚障害児に向けた電話リレーサービスの概要についての啓発教材として主に全国の聴覚特別支援・ろう学校などを対象とした電話リテラシー向上プログラムの構築にかかわる動画教材のシナリオの再検討を行った。。また、上記検討に基づく啓発教材などを活用した電話リテラシー向上プログラムの効果などを検証することを目的として、コロナ感染の状況を注視しながら、オンラインおよび対面両形式での全国の聾学校・聴覚特別支援学校へのアンケート内容と進め方の検討を行った。 また,こうして得られた知見の一部を,Internet Governance Forumでの招待講演という形で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
公的な電話リレーサービスの実施にかかわる法律の制定が行われ、2021年7月から正式に公的電話リレーサービスが開始された。その結果、24時間365日利用可・聞こえる人からの発信が容易になった・緊急通報が可能となった等サービス内容が追加されたことを受け、聴覚障害者の利用事例の蓄積が行われた結果,聴覚障害児の電話リテラシー向上に必要とされる項目の再整理を行う必要が生じ,それに合わせて聴覚障害児向けの啓発動画シナリオの再検討を実施した。この結果,動画作成スケジュールが年度末にずれ込んだのとあわせてコロナ等の感染症が拡大していた状況もあり、動画の作成作業が困難になった。以上、二つの要因が重なったことで当初計画より遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに再検討・再構築した聴覚障害児対象の電話リテラシー育成向上プログラムの動画シナリオをもとに動画教材の作成を進める。 作成した動画教材について,その効果と改善点などを検証することを目的としたオンラインおよび対面両形式での全国の聾学校・聴覚特別支援学校へのアンケート調査を進める。 アンケート調査結果をもとにさらに聴覚障害児対象の電話リテラシー育成向上プログラムを完成させていくこととする。
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