研究課題/領域番号 |
19K03069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
兵頭 和人 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (10271371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 組み込み技術者養成 / 学習支援システム / 産学連携 / IoT / センサーフュージョン / 産学連 / センサ―フュージョン |
研究開始時の研究の概要 |
様々な分野の知識を融合させてシステムの構築を行う組み込み技術者を育成する教育課程においては、基礎知識や専門知識を実際に用いて社会・産業の現実問題に応える研究開発や設計を行うことが出来る技術者」を育成するためには、具体的な開発案件を題材とした産学連携型の育成プログラムが必要である。 またIoTやロボットなどの分野では新規参入の可能性が高い半面、企業における研修プログラムを新規に構築する必要があり、費用面での問題が生じている状況である。 本研究では,産学連携型の開発を進めるために必要な技術の習得を目的とした演習/研修システム(教材ハードウェア,ソフトウェア開発環境、教材構築システム)の開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「座学における体験的演習(座学において得た知識の定着し活用する力の育成)」、「企業における新人研修(製品開発に必要な技術の学修)」及び「機能試作構築演習(現実の問題に応える技術力の育成)」などの高度技術者育成用の演習や研修を低コストで実現するための教材及びシステム構築ツールを開発することである。 座学中の体験型演習構築に対する教員の負担を軽減するために、基本モジュール(I/O処理、姿勢計測、モータの制御)を用いた演習システムの改良を行った。改良した演習システムでは計測制御実習をWebブラウザ上で実施することが可能である。対面授業において検証を行い、教材準備及び演習内容の修正にかかる時間が削減でき、当日のトラブル数も減少することを確認した。 また、学習した内容を定着させるためには、自宅での学習も不可欠である。自宅での演習環境構築に対するトラブルを削減するためにWebブラウザ上で計測制御実習を実施するシステムへ修正を行った。修正した自宅学習システムを用いることで、自宅学習環境構築に伴うエラーが激減しスムーズに自宅学習を開始できることを確認した。 昨年度スクリプト処理機能を追加したサブシステム間通信モジュールをチーム開発 (システム全体を機能単位に分割して開発) 演習/研修において検証を行い、サブシステムの統合及び統合したシステムの動作テストに必要な時間の短縮に効果があることを確認した。 大規模システムの開発演習では、本研究で開発した通信実験モジュールおよび基本モジュールを企業連携開発演習(玉乗りロボットの開発、乳幼児向け健康状態モニタリングシステムの開発、調味料配合システムの開発)に適応し、チーム内での役割分担(システム全体の開発、計測モジュールの開発、新規デバイスのテスト等)に応じた研修内容を構築可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、研究期間内に高度技術者育成用の演習や研修を低コストで実現するための教材及びシステム構築ツールを開発することである。 本年度は、小規模ネットワーク構築を含む演習/研修にかかる準備を軽減するためにサブシステム間通信実験モジュールにスクリプト処理系の追加を行った。システム全体を機能単位(サブシステム)に分割して開発を進める演習/研修を実施し、サブシステムの統合及び統合したシステムの動作テストに必要な期間の短縮に効果があることを確認した。 また、演習システムの改良を行いWebブラウザ上で計測制御実習を実施することが可能なシステムとした。Webブラウザを介して演習管理サーバへアクセスする形態としたことにより教材の保守管理、履修者の進捗状況に合わせた演習課題開発にかかる教員の負担を軽減することが可能となった。対面授業における検証を実施し、基礎学修項目の定着、開発期間の短縮に効果があることを確認した。 自宅学習用の環境構築時のトラブルは学習の進度に著しく影響を与える。そのため、自宅おける演習もWebブラウザ上で計測制御実習を実施するシステムへ変更を行った。そのため、環境構築に伴うエラーが激減しスムーズに自宅学習を開始できることを確認した。通信モジュールの改良及び演習システムの改良は予定通りに進捗している。 本研究で得られた成果を他の教育機関で活用するためには、本研究で開発したハードウェアのみではなく、入手性の良い市販のハードウェアを用いて演習システムを構築できることが必要である。しかし、COVID-19の影響により、対面授業における演習システムの検証が不足してきた状況から、他の教育機関で演習システム導入を容易にするための移植・修正に遅れが生じている。以上から、今年度の進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度:対面授業における開発教材の追加検証を引き続き実施する。研修プログラムに関しては、大学生参加型開発の練習用開発案件(3年次生向け、姿勢制御、バイタルデータ計測、調味料配合システム)の実施、連携企業からの依頼案件を題材に大学生参加型開発(4年次生向け、玉乗りロボットを用いたロボットコンテストの創設、乳幼児向け健康状態モニタリングシステムの開発、レシピ連動調味料配合サーバー)を引き続き実施する。 また、本研究で得られた成果を還元するためには、本研究で開発したハードウェアに依存せず市販のハードウェアを用いて演習/研修システムを構築できることが必要である。そのため今年度は、演習/研修システム及び自宅学習システムを汎用のハードウェアを用いて構成するためにソフトウェアの移植・修正を行う。市販のマイコンボード、センサ、モーター駆動基板を使用して再構築した演習/研修システムの検証を行う。なお、移植対象のシステムを構成する物品(マイコンボード等)は購入済みである。 本研究で得られた成果(ソースコード、回路図、教員/研修担当向けマニュアル等)を公開するための準備を行う。
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