研究課題/領域番号 |
19K03117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
大山 政光 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (80332716)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 月 / 満ち欠け / 誤答 / 心的回転 / 視点取得 / 月の満ち欠け / 空間認識 / みかけの形 / 天文分野 / 球 / 中等 / 初等 / 球体 / 空間認識能力 / 概念 / 大学生 / 理解度 / 潜在意識 / 思考 / 理科教育 / 天文教育 / 思考力 |
研究開始時の研究の概要 |
天文分野を思考・指導する際には、空間認識能力が必要である。そこで、大学生における天文分野に関わる空間認識能力を調査し、能力向上プログラムの開発と検証を行う。 (1)大学生の空間認識能力の実情を把握するための調査を行い、回転角度・回転軸等による正答・誤答傾向などを探る。(2)思考操作方法および思考の流れを調べ、誤答に至る考え方の傾向などを探る。(3)球の影響について調査する。(4)空間認識能力向上プログラムの開発と検証。
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研究実績の概要 |
本研究では、これまで月の見え方についての調査を行い、誤答者の約30-40%が色の左右(明暗位置的概念)を間違える傾向にあることが分かった。空間認識能力を高めるためには、色の左右を間違える要因を探る必要があり、この点を探ることを目的の1つとして調査を実施した。 色の左右取り違えには、思考段階での複数の対象物の左右の位置の取り違え(マクロ概念)、各対象物の向きの取り違え(ミクロ概念)、心的回転などでの回転方向の誤り(回転方向概念)の可能性が考えられる。そこで、地球と月を描いた図から月のみかけの形を問う問題(問題A)、3体を配置した図から別視点での見え方を問う問題(問題B)、3体を円盤に配置し円盤を回転させての見え方を問う問題(問題C)に関する調査を行い、各問の概念の関係を調べた。問題文としては、問題AとBは視点取得的な問題(問題文の観察者を正面からずらした位置に配置)、問題Cは心的回転的な問題(問題文の対象物を回転)である。各調査の分析対象者は大学生208人である。 各概念に関して独立性の検定を実施した結果、有意水準5%において、視点取得的な問題では問題Aと問題B間で明暗位置的概念とミクロ概念とが影響していることが分かった。しかし、問題Aと問題Cでは明暗位置的概念とミクロ概念は影響しているとは言えず、一方で、明暗位置的概念と回転方向概念が影響していることがわかった。しかしながら、問題Aでは逆回転で思考を行っても明暗の位置は同じになるため、角度など別の要素が関係している可能性がある。この可能性については今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
空間認識能力を高めるためには、さまざまな問題を思考しトレーニングできるプログラムが必要である。そのため、鍛えるべき概念等を把握する必要がある。 月の満ち欠けに関して、多様な誤答の中から共通する概念を見出すことができた。一方で、被験者毎に共通する問題では似た思考をすると予想していたが、必ずしもその傾向が見られず、問題間で思考の仕方や誤答概念に共通点や関係・影響が見いだせていない。そのため、空間認識能力が強くない被験者の場合、共通する問題においても思考の仕方が変化するとも捉え、各概念の関係を調べることにした。この影響で、研究は進展しているものの、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
空間認識能力を高めるための必要な要素を調べるために、被験者の思考(心的回転、視点取得)の観点を追加し、月の問題での誤答概念と他問題での誤答概念の分析を行う。 また、空間認識能力と関係することが分かっている体性感覚を鍛える機器を用いての調査を実施する。
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