研究課題/領域番号 |
19K03141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
梶原 裕二 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10281114)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 分裂細胞 / 小腸上皮細胞 / カエル幼生 / X線 / ブロモデオキシウリジン / 哺乳類代替実験 / 増殖細胞 / 細胞分裂阻害 / 自発的細胞死 / 両生類 / 代替動物実験 / 細胞死 / 細胞増殖 / 簡易凍結徒手切片法 / 高校生物 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は10μmほどの小さな大きさなので、それを観察するには顕微鏡が必要である。しかし、動物の組織標本の作成は難しく、高等学校では実施されない。そこで、学校で実施できる動物組織の簡単な実験法を開発、哺乳類の代替動物として、動物愛護管理法に直接関わらない魚類・両生類の増殖細胞の簡単な検出法を考案した。そこで、本研究では、(1)自発的な細胞死に焦点を当て、これまでの細胞増殖と併せ、脊椎動物体内における多様な細胞動態を実感する実験系を開発する。加えて、(2)幼生や成体への放射線の影響、細胞死の誘導や分裂細胞の阻害、細胞増殖の回復を検討し、生物分野での放射線科学リテラシーを涵養する教育教材の充実を図る。
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研究成果の概要 |
放射線科学リテラシーの教育は、医学・工学における放射線の積極的な利用の観点から重要である。しかし、放射線の実験は霧箱の利用など物理分野に限られ、分裂細胞が放射線に脆弱であるという生物影響を知る実験はない。これまで、哺乳類の代替として、動物愛護管理法に関わらない両生類の増殖細胞の検出法を報告した。そこで、高等学校で実施できる両生類の増殖細胞に対するX線の影響を調べる実験を検討した。 マウスの小腸上皮では、1GyX線照射で分裂細胞が消失するが、カエル幼生の小腸では、2GyX線照射で分裂細胞は存在した。カエルの分裂細胞は放射線耐性があり、X線の生物影響を理解する実験材料としてはカエルは難しい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線の学習は、工学や医学分野での積極的な利用と共に、エネルギー問題や地球温暖化など社会的要因から、推進が望まれる。学校で扱う実験は、霧箱など取り扱い易さから物理分野がほとんどで、生物分野はほとんどない。そこで、哺乳類マウス代替として、カエル幼生を用いて分裂細胞が放射線に脆弱であることを理解する実験を検討した。知見のあるマウスでは、小腸上皮細胞の増殖は1Gy X線で消失するが、カエル幼生では2Gy X線でも残存し、カエルはマウスに比べ放射線に耐性があることがわかった。放射線の生物影響を理解する実験はほとんどなく、マウス小腸上皮の増殖細胞がX線に脆弱であることを理解する導入として利用できる。
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