研究課題/領域番号 |
19K03144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 博史 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (70294494)
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研究分担者 |
古賀 信吉 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30240873)
竹下 俊治 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90236456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 理科教育 / 防災教育 / 通時的思考 / 中等理科教育 |
研究開始時の研究の概要 |
通時的思考のできる人材の育成を防災教育の目的の一つと考え,自然景観を通時的に理解する方法や態度の育成を目的とした中等理科教育における科目横断的学習文脈の考案,及びその文脈を基礎に理科教育を通して防災教育の継続性に資する仕組みを構築するための基礎的研究に取り組む。具体的には,地学事象を主体に防災教育に資する学習素材を探査・教材化し,他科目の学習内容との関連づけと既存の知識の統合を図るとともに通時的思考という枠組みの中での学習文脈を考案し,その学習方法と学習プログラムを開発する。
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研究成果の概要 |
学校教育における防災教育の継続性に資するための方策として通時的思考に基づく時間概念を防災教育と日常実施される理科教育とに共通して求められる能力と想定した。理科(地学,化学,生物)の学習素材について,多様な時間軸を設定して通時的・段階的に探究・理解するために探査し,教材化した。また,中学校理科の学習項目の中で防災教育に直結する火山活動を取り上げ,2つの観点(岩石組織とマグマ中の揮発性成分の挙動)から通時的思考の枠組みの中で学習項目を配置した探究的学習プログラムを考案し,試行実践によりそれらが通時的思考の育成に関して有効であることを確認した。これらの結果を14論文(うち査読付10)として公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は防災教育で育成が求められる人材像として,自然災害が生じる仕組みの科学的な理解や災害時の適切な行動に関する知識・技能を有することに加え,それらとは異なる観点から,自然現象を多様な時間軸を設定して通時的・段階的に探究・理解する能力を有することと考えた。これにより,学校教育においては教科として日常的に扱うことが困難でその継続性が課題と考えられる防災教育について,理科という教科を通して日常的に関わることの可能性を示唆した。例えば,地域の地形・地質環境の理解を通して生活空間に潜む災害リスクについて考えることである。自然環境の通時的な理解の促進は,事前防災のレジリエンス向上への寄与が期待される。
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