研究課題/領域番号 |
19K03148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
小杉 健太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70380376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 化学教育 / 化学教育教材 / 科学教育教材 / 実験教材 / 分光実験教材 / 実験教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大学で学ぶ物理化学的な考え方の基礎を学習者に認識させるための、分光実験とSTEM教育的な活動からなる教材の完成を目指す。十分な検討を行って実験の題材・方法を選択するとともに、実験教材が実効的なものとなるように測定・解析用のソフトウェアの開発を行う。また、学習者の主体性を引き出すために、学習者が分光実験で用いるソフトウェアをプログラミングする活動や、単純な測定装置とその制御ソフトウェアの作成を行う活動を教材に取り入れることにも取り組む。
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研究実績の概要 |
物理化学的な考え方で物質を理解することを、分光実験やSTEM教育的な活動を通して学習者に体験させられる教材の開発を本研究で行っている。 令和4年度は、前年度作成した教材用のラマンスペクトル解析ソフトウェアを改良し、学習者が関数とパラメータをテキスト形式の数式でソフトウェア画面上に入力することで,フィッティングに使用する関数を指定できるようにした。直線や二次曲線だけでなく,ガウス型関数等も関数も指定可能であるが,一度に使用できるフィッティングパラメータは10個までという制限がある。ラマンスペクトル以外のデータを解析ソフトウェアに読み込んでフィッティングを行えるため、ラマン分光実験以外の実験を行う教材においても利用可能である。また、この解析用ソフトウェアも、LabVIEW上で機能をまとめたサブルーチンを組み合わせて比較的簡単に作成できるようにしているため、学習者による解析ソフトウェアの作成とそれを使用するデータ解析が可能になったと考えている。これらの成果は、第72回理科教育学会全国大会において発表した。また、過去に研究室で作成してきた簡易測定装置を用いる教材の改良にも取り組んだ。この簡易測定装置は、無線通信機能をもつマイクロコントローラを用いるものである。当該年度には、簡易測定装置による気温測定の開始・停止や、測定データの受信及びグラフ表示を行えるように、簡易実験装置のプログラムとMac/iPad上で動作するソフトウェア、及びExcel VBAによって作成したソフトウェアの改良を行った。これによって、今後、簡易実験装置に種々のセンサーを接続した装置と、パソコンやタブレットPCを用いる教材の開発研究を行える目途がたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度末から続く新型コロナウィルス感染症感染拡大によって、それ以降の研究遂行に大きな影響があった。このような状況の中で、分光実験教材の実験に必要な実験機材の整備と測定・解析ソフトウェアの作製を概ね完了することができた。教材用ラマン測定ソフトウェアとデータ解析ソフトウェアをLabVIEW上でサブルーチンを用いて短時間で構築できるようにしたため、これらのソフトウェアの作製過程を教材に組み入れることが可能になった。また、令和4年度には、簡易測定装置とパソコン・タブレットPC上で動作するソフトウェアを用いて測定実験が行える目途がたった。しかし、教材として行う測定実験や解析・考察の内容はまだ確定しておらず、令和5年度に取り組むことになった。 以上を総合して、現在までの達成度を「やや遅れている」と自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画した研究内容のうち、技術的な課題についてはかなりクリアしたと考えている。今後は、分光実験を中心とするSTEM教育的な教材を実施可能なものとして完成させることを中心に取り組みつつ、令和4年度に進展した自作簡易測定装置・ソフトウェアを用いる実験教材についても、まずは大学1年生を対象とする学生実験の授業で実用可能な段階に到達することを目指す。
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