研究課題/領域番号 |
19K03165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊彰 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (20332257)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 空気酸化 / 酸化触媒 / インジゴカルミン / メチレンブルー / リボフラビン / ベンゾイン / π共役系複素環式化合物 / グルクトース / フルクトース / 有機分子触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、交通信号反応やブルーボトル反応など、小学校等での演示実験によく用いられる化学教材を基に環境調和型次世代物質変換反応を開発する。これらの反応で用いられるインジゴカルミンやメチレンブルーは、着色料の青色2号や金魚の白点病治療薬として用いられており、これらの有機色素をはじめとする低毒性かつ汎用性のある身の回りのπ共役系複素芳香族化合物を触媒として用いることにより、酸化剤として過酸化物を用いずに空気中の酸素を用いるアルデヒドやアルコールの空気酸化反応などの様々な環境調和型次世代物質変換反応を開発する。
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研究成果の概要 |
メチレンブルーやビタミンB2はα-ヒドロキシケトンに対し、空気酸化触媒として働き、高い触媒活性を有することが分かった。このように、身の回りには、これまで触媒として着目されてこなかった化合物にも、空気酸化触媒となり得るような多彩な機能をもつ化合物が存在し、金属や過酸化物などの有害物や危険物を使わない次世代物質変換反応を開発できることを明らかにした。また、従来の有機触媒に比べ、身の回りに存在するπ共役系複素環化合物を用いており安全性が高いこと、安定な化合物であること、安価で市販されており触媒を合成する必要がないこと、酸化剤は空気中の分子状酸素であり添加物が必要でないことなど、優位性が高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで触媒として用いるという概念のなかった魚病薬のメチレンブルーや着色料のインジゴカルミンなどの有機色素をはじめとする、低毒性かつ汎用性のある身の回りのπ共役系複素芳香族化合物を触媒として用いることにより、酸化剤として過酸化物を用いずに空気中の酸素を用いる空気酸化反応を開発した。本研究で用いた触媒は特殊な化合物ではなく、日常生活の中で用いる物質であるため、本研究の成果は、既存の化合物を見直し、その潜在的触媒機能に対して多くの科学者に目を向けさせることにもつながり、社会に与えるインパクトも非常に大きく、これまでの学術の体系や方向を大きく変革、転換させる潜在性も有すると考える。
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