研究課題/領域番号 |
19K03169
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 靖夫 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (70283231)
|
研究分担者 |
小山 茂喜 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (10452145)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 理科教育 / 実習・実験 / 遺伝リテラシー / 交配 / 子のう菌類 / アスペルギルス / 実験・観察 / 科学リテラシー |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子診断やゲノム編集技術の大衆化を目前にした時代背景を踏まえ,実体験に根ざした遺伝リテラシーの向上を目指す。そのために,中学校から大学において容易に実施可能,かつ,基礎から発展的な内容までを体系化した,遺伝に関わる実習プロトコルを開発する。問題となる生体の扱いと系統の維持は,真核菌類を教材とすることによって解決する。これによって,多くの生徒たちが,対立遺伝子の分離と伝達,および,対立遺伝子の相互作用によって形質が決定されるしくみを観察できるようにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では「遺伝子によって決定される形質が世代を通じて伝達される様子を実感できる実習プロトコル」を作成し,中学校,高等学校,及び大学において実践することによって,遺伝リテラシーの向上につなげることを目的とした。それぞれの状況で直面する様々な制約に対応して実習を行った結果,多くの生徒・学生から「驚いた」「予想外だった」というキーワードを引き出すことができた。また,中学校では,普段の授業では意欲を示していなかった生徒が熱心に取り組む様子が認められた。 ただし,これから広く普及するためには生育温度の問題が課題であり,室温で生育速度を維持した系統の選抜を進めている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって,中学校での遺伝の学習と並行して交配と後代の観察を行うための実習計画を確立できた。さらに,内容を後代の分離比の統計的解析や連鎖,組換えの観察まで拡張し,大学の教養科目での実習としても十分な質を備えたものとなった。受講生の反応やアンケート調査の結果から,中学生から大学生まで年代を問わず,生き物に触れ,観察した際の驚きを通じて遺伝現象への関心を誘導できることが示された。また,他の生物の生活環との関連や生化学実習への接続等,様々な実習のハブにもなる。近年のICTの発展により,学校は聴講の場から経験の場へと変貌しつつある。その点で,本研究は他の教材の開発と整備の端緒となるものである。
|