研究課題/領域番号 |
19K03173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
根本 泰雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (30301427)
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研究分担者 |
酒井 慎一 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (00251455)
関根 秀太郎 公益財団法人地震予知総合研究振興会, 地震防災調査研究部, 主任研究員 (90455254)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 地震 / 地震に伴う地鳴り / 理科 / 教材開発 / 探究(的)活動 / 教員養成 / 東京大学地震研究所筑波地震観測所 / マイクロホンアレー観測 / 教員研修 / 探究活動 / 高等学校 / カリキュラム・マネジメント / 地鳴り |
研究開始時の研究の概要 |
小中高校生が,教科などの枠にとらわれず,科学する醍醐味を体験・体得する探究活動のための教材開発を行う研究です.そのために,科学的に未解明な課題を素材として本研究に取り組みます.その一例として,“地震に伴う地鳴り現象”を素材として取り扱います.本研究を通して,研究者と学校,学校間の観測ネットワークを構築する方法論を確立することも目指し,小中高校生が感じる科学への垣根を下げ,科学的に考え対応できる人となる教材を提案することも,本研究の目的の一つです.
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研究実績の概要 |
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大による出張の自粛要請が解除されつつあることを受け,2019年度途中までの観測にて明らかとなった課題を解決するため,2022年度からの観測にて改善策を取り入れた.具体的には,地中部分のマイクロホンの設置方法の変更を行った.あわせて,防水機能によるシグナルの減衰に関する実験も行った.その結果,防水膜の設置状況が減衰に大きく関与する可能性が見出され,高校生でも取り扱える最適な設置方法を探る実験を継続している.また,JWA(前年度報告のJMAは誤記)との協議を開始し,同一地点でのインフラサウンドの観測に向けた準備を開始した.2021年度から試用を開始したSINET広域データ収集基盤実証実験参加による通信は,リモート操作が引き続き困難を極めたもののもデータ収集ができるように改善を試みたことで,観測点訪問回数を必要最低限とすることができた. 教材開発に向けての現状分析に関する研究では,2020年度の小学校「理科」教科書分析,2021年度の中学校「理科」の教科書分析に続き,2022年度から高等学校(第1学年)での新課程による授業が開始されたことを受け,高等学校「地学基礎」,「理数探究基礎」の教科書分析を行った.高等学校「地学基礎」教科書も,カリキュラムマネジメントの視点からは「地理総合」との関係に課題があることを明らかにしつつある.なお,高等学校教科書の分析は,2022年度後半から2023年度に向けて継続中である. また,探究的活動,探究活動を指導することとなる教員を目指す教員養成段階での課題の検討も引き続き行い,教員養成段階での施設のあり方に関する実地調査を続けている.2022年度末現在調査は継続中であるが,探究的活動,探究活動の授業法,指導法の教育充実に向け,教員養成を行う各大学の施設が現状では不十分であることを見出しつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定より進捗が遅れている一番大きな理由は引き続きCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)による影響を受けたことによる.また,観測地で予定されていた建屋解体工事が2023年度へ延期となったことの影響も受けている. 2020年度,2021年度と同様,2022年度も事務的な議論等はZoomや電子メール,Slackなどの使用でしのいでいるが,観測に用いる実機や教材開発のための試作品などを手にとっての打ち合わせが出来ないことは,本研究を進める上で大きな支障となっている. 観測を伴わない研究内容のうち,本研究の2年目に計画していた平成29年および平成30年に改定された学習指導要領による新教科書を用いた教科書分析研究は,COVID-19の影響で令和2年度に予定していた小学校使用教科書の入手が遅れ,2020年10月にようやく新教科書を入手することが出来たことにより着手する時期が予定より約半年遅れた.このため,分析等も半年遅れの状況にて進行が続いている.この影響が尾を引き,中学校新教科書,高等学校新教科書の分析開始も予定より半年から1年遅れで進んでいるため,分析等が終わる時期が予定より半年から1年遅れている.そのため,研究期間の延長を申請し2023年度へ継続することとした. 2023年度もCOVID-19による研究の遅れの影響が続くことが予想されるため,当初予定していた研究期間を見直し,世の中の動きを注視しながら再考した研究計画を進めていくことが,2022年度までと同様に引き続いての課題となっている.
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今後の研究の推進方策 |
現時点(2023年度4月末)では,前年度までと異なり,COVID-19がある程度収束し本研究を通常通り行えるようになりつつあるため,徐々に定常状態に戻していく予定である.ただし,観測地での建屋解体工事の予定が読めないため,工事完了後すみやかに元の観測態勢が構築できるように準備を進めていく. 2020~2022年度と同様,引き続き研究代表者,研究分担者,研究協力者にてオンラインによる研究打ち合わせを行い,手元にある観測データの解析を進めていく.また,これまでの研究手順を踏まえた学校教員向け手引きの作成も引き続き進めていく. 高等学校新教科書の分析等の遅れを取り戻せるように研究を進め,高等学校「地学」新教科書に関しても入手でき次第分析等を開始する.また,2022年度中に投稿まで漕ぎ着けた論文もあったものの予定していた投稿が全て行えた訳ではなかったため,2023年度は2022年度中に論文化を目指して未完となっている論文の投稿を目指す.また,観測地としている東京大学地震研究所筑波地震観測所の延期となった建屋解体が予定されていることから,工事完了後に臨時に移設した観測システムの移築を行い,観測データの解析を引き続き進める.さらに,「理科」の教員養成段階での施設のあり方に関する大学の実地調査も引き続き進めていく.COVID-19騒ぎを受け2021年度から急遽追加したオンライン授業での探究活動の取り扱い方法に関する研究も,2022年度に引き続き進めていく 当初の4年目の研究計画より進捗が遅れているが,遅れながらも予定した研究成果が得られるよう,逐次計画を見直しつつ研究を遂行していけるよう務める.
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