研究課題/領域番号 |
19K03194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
眞嶋 良全 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50344536)
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研究分担者 |
中村 紘子 (鈴木 紘子 / 中村紘子) 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (30521976)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フェイクニュース / 陰謀論 / 陰謀論信念 / 直感的思考 / 共有 / 文化 / 社会系心理学 / 実験系心理学 / 二重過程 / 偽ニュース / 非実証的信念 / 認知的内省性 / 二重過程理論 / 文化伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
偽ニュースは,社会に与える影響が極めて大きいにも関わらず,その受容と伝達の背景にある認知過程の検討が十分に行われていない。本研究では,1) 実証的信念との関連が指摘されている,認知的内省性,パターン錯覚,擬人観等の個人の認知特性が,同様に偽ニュースの受容と関連するかどうか,2) 文化伝達の領域で提唱されている最小反直観性(MCI) 説が偽ニュースの受容と伝達に対しても適用可能か,同様に信念の文化伝達への関与が指摘されている,3) 権威に対する信頼,議論に対する適切な理解,主張者の信念-行動間の一致が偽ニュースの伝達にも関与するかどうかという3つの観点から検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は,フェイクニュースや非実証的信念と個人の認知・社会的特性の関連性を調査した。まず,日本語版の陰謀論信念 (GCBS-J, CMQ-J) と擬人化傾向尺度 (IDAQ-J) を開発し,信頼性と妥当性を確認した。陰謀論信念等の非実証的信念は直感的思考スタイルと正の相関を示し,合理的思考とは負の相関を示すことが一貫して観察されたが,特に日本人において合理的思考と非実証的信念の関連性は正の相関が見られることもあった。また,フェイクニュースや陰謀論の共有には,情報の真実性よりも他者との関係性や自己呈示が影響すること,日本人と西洋文化圏の参加者間では異なる傾向があることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,フェイクニュースや非実証的信念の理解に重要な知見を提供し,それらがどのようにして拡散し,人々の信念形成に影響を与えるかを明らかにした。特に,日本語版の信念尺度の開発と検証を通じて,文化的背景が認知と信念に与える影響を示した点は,新たな視点を提供するものである。また,フェイクニュースの共有行動に関しては,他者との関係性や自己呈示が大きな役割を果たすことが明らかとなり,今後の情報伝達研究において重要な示唆を与えるものである。これらの結果を基に,誤情報の拡散を防ぐための対策や教育プログラムの開発が期待される。
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