研究課題/領域番号 |
19K03201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山浦 一保 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80405141)
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研究分担者 |
大坪 庸介 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 准教授 (80322775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 妬み感情 / 妬みの緩和 / 役割付与 / マネジメント / 社会的地位 / 感謝 / 妬み生起場面 / セルフマネジメント / チームマネジメント / 良性-悪性の妬み / シャーデンフロイデ / 役割行動 / 資源配分 / 感情 / 妬み / 役割内行動 / 役割外行動 / 資源分配 / ポジティブ感情 / LMX / リーダーシップ / 社会的比較 |
研究開始時の研究の概要 |
リーダーとの関係性の質が低いメンバーは、他のメンバーに妬みの感情を抱きがちである。本研究は、そのような妬みの感情には、ポジティブな機能が潜在していると考え、それを引き出す条件の解明を試みる。 その解明のために、以下に挙げる2つのことを主として取り組む。(1)チーム内の他メンバーに対する妬みの感情を顕著に引き出す必要があるため、その方法論(実験的手法)を開発する。(2)生じさせた妬みの感情を緩和させる条件について、当事者の個人要因(パーソナリティやスキル等)、および組織的要因(組織体制、目標設定のあり方、リーダーシップ等)の観点から検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、同じチームのメンバーに対して、私たちはどのようなときに妬みを生起させるのか。そして、どうすればこの妬みを緩和させ、前向きな行動を促すことができるのかを中心に検討した。 妬み感情の特徴について先行研究を概観し、その結果を『武器としての組織心理学』にまとめた。研究の結果、妬みは、リーダーによる不公正な対応と他者の怠惰さによって強く生起した。妬みの緩和には、役割付与と目標設定、上司との良好な関係性と感謝の念が有効であることを見出した。また、力に基づき社会的地位を達成しようとする人は、相手を赦しにくかった。これは、個人の志向性が妬みや関係性を悪化させる重要な要因であることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妬みは、古くから誰もが抱くネガティブな感情の一つとして扱われてきたが、他の感情と異なって表面に表出されにくいため、これまで十分に解明されてこなかった。しかし近年、妬み感情は、心身の不健康、チームでの協力行動を阻害する可能性が報告されるようになった。これらを踏まえて本研究では、妬みのもつネガティブな機能をポジティブな活力に変換させるために、何が有効であるかを明らかにするための検討を行った。結果は、自分自身やチームのマネジメントによって妬みを緩和できそうであった。このことは、ネガティブ感情も含めた感情の豊かさを育み、その多様性を活かした人間関係構築やチーム力強化が可能であることを示唆している。
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