研究課題/領域番号 |
19K03202
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
|
研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
金川 智惠 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70194884)
|
研究分担者 |
石盛 真徳 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70340453)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | リスクコミュニケーション / リスク認知 / メディアリテラシー / パネル調査 / コミュニティ / 公正性 / ストレス / 同調傾向 / コミュニティコミットメント / リスク・コミュニケーション / 低リスク認知 / コミュニティの力 / リスクコミュニケーター / リスコミ研修プログラム / 福島第1原発事故 / リスクコミュニケーター養成 / 効果性測定 |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原発事故以来、福島県産の農産品に対する買い控えなどの偏見は未だ根強い。その要因の一つは母親の放射線への過剰な不安による子供達の不安の再生産である。この問題の解決には、3歳児検診等を活用した母親に対する肩の張らないリスコミが必要である。その意味で保健師のリスコミスキルの向上は喫緊の課題である。そのため初年度は、保健師のリスコミスキルを観察し、問題点を析出する。次年度は問題点に基づき放射線に対するリスクコミュニケーター養成プログラムとその評価指標を作成する。最終年度はそのプログラムの参加の有無を独立変数とし、本研究で開発するリスコミ効果性測度を従属変数として、リスコミの効果性を検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、放射線やcovid-19に関する偏見等の問題が、リスク事態発生時にリスコミがなされたまま言いっ放しであることに起因するという観点から、リスコミの効果性を継続的実施の視点から検討した。第一研究では放射線リスコミが福島第一原発事故以後現在までどのように継続的になされたのかを、放射線に対する偏見が強い京阪神の自治体において実態調査し、事故以来殆ど実施されていないことを示した。第二研究ではリスク対象へ曝露の渦中にあるcovid-19リスコミに関し、政府メッセージの公正性と政府能力の信頼性の高評価が、ウィルス蔓延リスク認知の低さ、制御可能性の高さと関連するなど、リスコミの効果性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、実践面とアカデミック面の双方において独創性を有している。前者については、上述したように、これまで看過されてきたリスコミ行動の最前線の実情を審らかにし、問題点を定量的データによる解析で可視化し、実用的改善策としてのリスコミ向上策を提言できることである。特に、リスク事態発生後から、リスコミは効果性を頑健なものにするために、いかに継続的に実施されなければならないかという点の検討に意義がある。後者については、アカデミック現場でこれまで不備であったリスコミの効果性測度を精緻化させることができるという点で学術的にも独自性を有する。
|