研究課題/領域番号 |
19K03208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
山田 歩 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00406878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 理由のブレンド / 社会的判断 / デフォルト / リバタリアン・パターナリズム / 意思決定 / 消費者行動 / 消費者コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
社会的判断において「理由」が果たす役割を実証的に見直す。単独では判断や決定を促す理由であっても,それらが複数利用できる条件下では「理由のブレンド」が起こり,決定を後押しする力を全体として弱める可能性があることを検証する。特に「質」と「強さ」に焦点をあて,「質の異なる理由のブレンド」および「強さの異なる理由のブレンド」が社会的判断,及びに消費者や生活者に向けたコミュニケーションに及ぼす影響を実験室実験およびにフィールド実験を通して明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は複数の理由が同時に利用できる状況下における決定と判断を検討した。実験1と実験2は,リバタリアン・パターナリズムのような二つの行動介入原則に個人が同時に従うことが可能かを検討した。二つの介入原則は同時に満たされにくいという結果が得られた。実験3は,強い理由だけが得られる決定,弱い理由だけが得られる決定,どちらの理由も得られる決定に対する個人の選好を比較した。その結果,個々の理由の力が加算されずに平均化されることで理由全体の強度が低下することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「理由は多いほどよい」という考えは,社会通念としても学術研究においても受けいれられてきた。しかし,この考えは実際のところ十分な実証的検証を受けてこなかった。誤った前提のもと,複数の理由を呈示するコミュニケーションが実践されると思わぬ反作用が生じる危険があろう。本研究は,(1)複数の理由が利用できるとき,単独の場合より,決定と選択が控えやすくなりうること,また,(2)複数の原理によって立つ行動介入が現実的に機能しないことがあること,を確認した。「理由のブレンド」という視点を切り口に,行為と理由を結ぶ関数関係を実証的に見直すことで,社会行動の理解と予測の範囲を広げることに貢献したといえる。
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